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岡田彰布コラム

いよいよキャンプインや!オレの視点は2つ。コーチが主役のキャンプか、投手陣は投げ込んでいるのか

 

新人のときにテンピでいきなり外野に転向に……


キャンプ中は監督は動かないでいい。コーチがどれだけ練習メニューを考えるか、や。キャンプの主役は選手とコーチと言ってももいいわ


 キャンプインが目の前だ。心のスイッチを入れる。現役時代はそういう気持ちでいたわな。それはユニフォームを脱いで、評論家になった今も変わらない。さあ、野球が始まる。球春到来……。ワクワクする。今年はどこをチェックするか。そういうことが楽しみで仕方ない。

 所属するデイリースポーツ新聞社の仕事で1月31日には沖縄に飛ぶ。キャンプスタートから、まず阪神をチェックする。沖縄にいれば、ほとんどのチームを観察できる現状。ところが1球団だけ、キャンプ地を海外に求めた。それが日本ハムである。アメリカのアリゾナ州で2月中旬までキャンプを張る。球団運営で革新的な取り組みを続ける日本ハムらしい発想だ。

 アリゾナと聞けば、思い出す。オレが阪神に入団したその年、キャンプはアリゾナのテンピやった。当時の監督が外国人のブレイザーで、どうしてもアメリカでキャンプを……と願っていたと聞いた。阪神=高知・安芸。これが伝統だったけど、それを打ち破った海外キャンプやったし、ほかにもヤクルトがユマ、大洋がメサと、海外組も複数あった。

 ルーキーで、アリゾナでアピールするぞ……と思っていたら、いきなり「事件」が起きた。オレは二塁の練習をしていたし、開幕出場を目指し、周囲も期待してくれていた。ところがキャンプが始まってすぐ、見慣れぬ顔の外国人選手が練習に現れた。そしてフリー打撃の組み分けを記した用紙に「ヒルトン」という名前があった。補強も終わったはずなのに、密かにブレイザーが新外国人獲得策を練っていたのである。

 マスコミも驚いた。そら、そうよ。まったく誰にも知らされてなかった。ヒルトンって……となったところで、分かった。前年、ヤクルトを解雇されたデーブ・ヒルトンである。ブレイザーはヒルトンを二塁に使うと決め、電撃のキャンプ参加になったわけなのだ。

 となるとオレは?すぐにオレは外野守備を言い渡されたわ。いきなりの洗礼や。外野の練習をしながら、複雑な思いを持ち続けたわ。それがのちのち、起用法を巡って、ブレイザーのシーズン途中の辞任につながっていくわけなんよね。

 それとは別に、オレは海外キャンプには賛成なんよね。とにかく環境がいいし、設備も整っている。それに周りを気にする必要がない。マスコミの数も少ないし・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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