昨年のドラフト1位ルーキーが二軍でもがき、苦しんでいる。プロ2年目を迎え、一軍での登板はまだない。イースタンでは先発ローテを担う期待の右腕が一軍昇格に向け、直面する課題とは。 中畑清監督の言葉が現状を物語っている。
「まだまだ足りない。直球一つにしても、何か淡々と投げている感じがする。今の段階で俺に伝わってくるものはないね……」
一昨年のドラフト1位右腕。即戦力として計算された
柿田裕太の歩みはここまで、まったくの誤算と言っていいだろう。昨年はイースタン・リーグで13試合に登板し7勝5敗、防御率3.93。ほぼ1年間を通じ、ファームの先発ローテーションを守った。
「期待される中で戦力になれなかった。結果を出せず、ふがいない気持ちでいっぱいです」。オフの契約更改では150万円減の年俸1350万円(推定)でサイン。厳しい表情を崩すことなく、雪辱の思いが背中を押した。
今年のキャンプは一軍スタートだった。
「一軍に昇格することは通過点だと思って、とにかく先発を任せてもらえるようにアピールしていきたい」
1年下には同じドラフト1位で
山崎康晃が入団。自身より同学年の新戦力に注目は集まったが「向こうが上だと思うけど負けたくない。逆にチャンスだと思って、自分のやれることに集中していきたい」と気持ちを入れ直した。ところが、2月8日に行われた紅白戦で暗転。先発して2回4安打2失点、連続ボークを犯すなど締まらなかった。
久保康友、
井納翔一、
山口俊、
モスコーソは当確しており、中畑監督も「一番の当落線上と言える投手」と位置づけ。1度の失敗が命取りとなりかねない立場だけに、いきなりの乱調は痛かった。アピール不足により3月10日に二軍降格。再浮上することなく、現在一軍から声はかかっていない。
15試合で3勝3敗1セーブ、防御率3.38。ファームでも苦しむ背番号13にとって、8月7日の
西武戦(横浜)は大きなチャンスだった。その日は横浜スタジアムでの親子ゲーム。中畑監督が視察に訪れた・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン