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プロ野球史上で最も大差でリーグ優勝したチームは?

 

文=永山智浩 写真=大賀章好

9月1日現在で貯金38。パ・リーグでは敵なし状態のソフトバンク



圧倒的な強さでリーグ優勝を飾った1990年の巨人


 パ・リーグは交流戦終了時、1位は日本ハムで、0.5ゲーム差でソフトバンク、2.5ゲーム差で西武と三つ巴の戦いだった。リーグ戦再開直後、日本ハムとソフトバンクが直接対決し、ソフトバンクが3連勝で首位を奪い返すと、その後、快調に飛ばした。

 リーグ戦再開後から8月までのソフトバンクの成績は38勝11敗1分け、勝率.776と驚異的で完全に独走態勢に入り、8月5日にはマジック38を点灯させた。日本ハムはその間30勝23敗1分け、勝率.566でシーズンの貯金も20としているが、ソフトバンクのハイペースにはついて行けず、西武はオールスター直前から13連敗を喫し、5割ラインを割っている。

 ソフトバンクは8月末で9.5ゲーム差をつけているが、過去大差をつけて優勝したチームの10傑は以下の通りだ(2リーグ制以降、☆は日本一)。

1位:1990年・巨人
2位とは22.0ゲーム差/2位チームは広島

2位:1951年・南海
2位とは18.5ゲーム差/2位チームは西鉄

3位:1951年・巨人☆
2位とは18.0ゲーム差/2位チームは名古屋

4位:2011年・ソフトバンク☆
2位とは17.5ゲーム差/2位チームは日本ハム

5位:1983年・西武☆
2位とは17.0ゲーム差/2位チームは阪急

6位:2002年・西武☆
2位とは16.5ゲーム差/2位チームは近鉄、ダイエー

7位:1953年・巨人☆
2位とは16.0ゲーム差/2位チームは阪神

8位:1950年・毎日☆
2位とは15.0ゲーム差/2位チームは南海

8位:1955年・巨人☆
2位とは15.0ゲーム差/2位チームは中日

8位:1977年・巨人☆
2位とは15.0ゲーム差/2位チームはヤクルト

8位:1985年・西武☆
2位とは15.0ゲーム差/2位チームはロッテ

 90年の巨人は6月まで40勝25敗で、2位の大洋に5.5ゲーム差をつけていたが、7月は15勝6敗、8月も17勝5敗と加速。9月8日には16試合を残し早々と優勝を決めてしまった。巨人は斎藤雅樹桑田真澄木田優夫香田勲男の4投手が防御率上位4位までを独占。この4人に加え宮本和知の5人が2ケタ勝利をマークした。この年は他の5球団は体たらくで10月8日現在で2位の広島が64勝64敗2分けの5割。優勝チーム以外貯金なしの異常事態だったが、広島は残りの2試合に連勝し貯金2。貯金46の巨人に22ゲーム差をつけられた。

 51年は両リーグともに日米野球の開催が決定したために日程を打ち切るという変則的なシーズン。その51年以外では11年がパ・リーグではもっともゲーム差がついたシーズンだ。オールスター直前はソフトバンクと日本ハムが47勝23敗(引き分けは5、2)と同率で首位争いを展開していた。

 しかし7月末の直接対決の3連戦でソフトバンクが3連勝。9月に入り、日本ハムが6連敗、9連敗(1分け挟む)と大失速し、ソフトバンクは10月1日に優勝を決めたが、その後も8勝2敗1分けとハイペースは止まらず、最終的に17.5ゲーム差をつけている。今年のソフトバンクも同じようなパターンのペナントレースを展開している。

 変則日程となった51年を除き、もっとも試合数を残し優勝したのは65年の南海(140試合制)。4月を11勝4敗でスタートした南海は、5月=17勝4敗、6月=16勝1敗と大独走。6月中旬から7月中旬まで歴代2位の17連勝(1分け挟む)を記録。チーム10敗目を喫したのは7月15日で65試合目。オールスター直前では56勝11敗1分け、勝率.836。その時の2位は東映で30勝33敗と5割を切っていた。また7月6日にはマジック62が点灯していた。オールスター後は5割近い勝率だったが、9月26日に19試合を残し早々優勝。この時点では2位・東映とは22.5ゲーム差をつけていた(最終的に12ゲーム差)。

 ここまで差がつくとペナントレースもしらけてしまうが、現在はクライマックスシリーズの権利争いもあるだけに、まだまだシビアな戦いが続く。
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