2016、17年には念願のゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、坂本勇人は日本球界を代表する遊撃手へと成長を遂げた。そんな坂本の進化のワケを、同じショートのライバルとして、チームメートとして、また、コーチと選手という立場としてもつぶさに見てきた井端弘和氏が徹底解説。守備の連続写真を用い、そのテクニックにも迫る。 取材・構成=坂本匠 写真=小山真司、川口洋邦(連続写真) 【POINT1 坂本勇人の進化】12球団でNO.1脱力のうまい選手
坂本勇人選手は高卒2年目の2008年の開幕戦に二塁で先発出場し、この試合で当時のレギュラーだった
二岡智宏選手(現BCL/富山監督)がケガをしたことでショートに回り、定位置を確保。現在に至ります。坂本選手がデビューしたてのころ、私は
中日に所属しており、ライバル球団の同じポジションに、生きのいい選手が出てきましたから、注目していました。ただ、当時は守備のすべてがバタバタしていた印象。準備も遅く、体には力が入り、上半身と下半身の連動もないので、捕るのもままならなければ、スローイングもあっちこっち散らばっていました。特にこのスローイングのミスが目立っていて、力んだせいでリリースの瞬間に逆に力が入らなかったり、ボールが抜けるので、ボール自体の質も良くありませんでした。これはバッティングがうまくいかないときと一緒ですね。
その後、坂本選手はジャイアンツの不動のショートとしてゲームに出場を続けるわけですが・・・
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