2017年度のドラフト会議が昨日開催され、注目の中村奨成(広陵高)は広島が交渉権を獲得した。セ・リーグでは合計43選手が指名を受けたが、各球団は成功と言えたのだろうか。ドラフトの結果を採点する。 中村奨成は地元の広島へ
広島と中日の競合となった中村は抽選の末、広島が交渉権を獲得した
■広島 ドラフト採点=80点 [指名選手]
1位 中村奨成 捕手 広陵高
2位
山口翔 投手 熊本工高
3位 ケムナ・ブラッド誠 投手 日本文理大
4位
永井敦士 外野手 二松学舎大付高
5位
遠藤淳志 投手 霞ケ浦高
6位
平岡敬人 投手 中部学院大
相思相愛の中村奨成(広陵高)を獲得できたのは大きな収穫。課題の左腕の指名はなかったが、2位指名までに好サウスポーが消えていたためにやむなしか。それでも中村以外は大型投手4人に強打の外野手の永井敦士(二松学舎大付高)と、補強ポイントは抑えた。
■阪神 ドラフト採点=75点 [指名選手]
1位
馬場皐輔 投手 仙台大
2位
高橋遥人 投手 亜大
3位
熊谷敬宥 内野手 立大
4位
島田海吏 外野手 上武大
5位
谷川昌希 投手 九州三菱自動車
6位
牧丈一郎 投手 啓新高
予定どおり1位に
清宮幸太郎(早実)指名もクジを外し、外れ1位の
安田尚憲(履正社高)までも外す。次の指名、即戦力右腕・馬場皐輔(仙台大)もクジになったが、ここは引き当てた。全体的にも収穫はあったドラフトだった。
■DeNA ドラフト採点=85点 [指名選手]
1位
東克樹 投手 立命大
2位
神里和毅 外野手 日本生命
3位
阪口皓亮 投手 北海高
4位
齋藤俊介 投手 JX-ENEOS
5位
櫻井周斗 投手 日大三高
6位
寺田光輝 投手 BCL/石川
7位
宮本秀明 内野手 パナソニック
8位
楠本泰史 内野手 東北福祉大
9位
山本祐大 捕手 BCL/滋賀
東克樹(立命大)を一本釣りできたことが大きく、スカウト戦略&編成の勝利といえる。「即戦力・育成」「投手・野手」とバランスよく補強できた印象だが、欲を言えば補強テーマであったはずの捕手でもう1人獲得できていれば、90点以上だった。
■巨人 ドラフト採点=50点 [指名選手]
1位
鍬原拓也 投手 中大
2位
岸田行倫 捕手 大阪ガス
3位
大城卓三 捕手 NTT西日本
4位
北村拓己 内野手 亜大
5位
田中俊太 内野手 日立製作所
6位
若林晃弘 内野手 JX-ENEOS
7位
村上海斗 外野手 奈良学園大
8位
湯浅大 内野手 健大高崎高
競合した清宮幸太郎(早実)、
村上宗隆(九州学院高)を抽選で外したのだからマイナス50点は当然。1位の鍬原拓也(中大)以外は当初の予想どおりに野手で固め、社会人捕手2人の獲得は
宇佐見真吾のコンバートを示唆するものか。上位候補の田中俊太(日立製作所)を5位で獲得できたのは望外の成果といえる。
■中日 ドラフト採点=75点 [指名選手]
1位
鈴木博志 投手 ヤマハ
2位
石川翔 投手 青藍泰斗高
3位
高松渡 内野手 滝川二高
4位
清水達也 投手 花咲徳栄高
5位
伊藤康祐 外野手 中京大中京高
6位
山本拓実 投手 市西宮高
素材型が多く採点の難しいドラフトに。中村奨成(広陵高)のクジ引きには敗れたものの、ともに外れ1位候補だった鈴木博志(ヤマハ)、石川翔(青藍泰斗高)を指名しカバー。2位以下は高校生で固めた。特に投手は好素材が多く、4、5年後に中心となっている可能性も。
■ヤクルト ドラフト採点=45点 [指名選手]
1位 村上宗隆 捕手 九州学院高
2位
大下佑馬 投手 三菱重工広島
3位
蔵本治孝 投手 岡山商科大
4位
塩見泰隆 外野手 JX-ENEOS
5位
金久保優斗 投手 東海大市原望洋高
6位
宮本丈 内野手 奈良学園大
7位
松本直樹 捕手 西濃運輸
8位
沼田拓巳 投手 BCL/石川
公言していた清宮幸太郎(早実)の争奪戦に敗北し、強打の捕手・村上宗隆(九州学院高)を3球団競合の末に獲得。ただでさえ投手力がぜい弱なチームだけに、即戦力投手を選ぶという選択肢はなかったか。大学No.1内野手と呼ばれる宮本丈(奈良学園大)を6位で獲得できたことは大きいが、最下位チームの特効薬になりうる選手は少ないのではないか。
写真=BBM