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2013ドラフト特集

元巨人チーフスカウト中村和久による2013年ドラフト総括

 

中村和久氏(元巨人チーフスカウト)が「プロ」の視点で鋭くチェック


1位同時入札の抽選制である現制度において避けられないのが、クジである。
会議直前まで各球団は難しい選択に迫られた。
25年のキャリアを積んだ中村和久氏(元巨人チーフスカウト)が、指名結果を総括する。

広島は3球団競合した九州共立大・大瀬良の抽選に、九州地区担当スカウトの田村恵を起用。球団社長、監督が壇上に立つケースが多い中、ドラフト史上初だった。フロントと現場が一枚岩となり、誠意は結実した[写真=伊藤真吾]


 ドラフトとは現場とフロント(編成・スカウト部門)との擦り合わせ作業である。昨年まで広島は重複を極力避ける戦略も、今年は九州共立大・大瀬良大地の1位入札に踏み切った。球団の総意が形として表れたのが抽選。ヤクルト阪神が監督に“大役”を託したのに対し、広島は担当の田村恵スカウトを“起用”してきた。1965年に始まったドラフト史において、スカウトが壇上に立つのは初めて。松田オーナー、野村監督の英断となったわけだが、一枚岩の姿勢が「交渉権確定」に結実した。

 言うまでもなくスカウトは1年間、上位にリストアップした選手視察のために、多くの時間を割く。何度も足を運ぶうち、わが子を見るような錯覚に襲われる。ところが、1位同時入札抽選の現ドラフト制度では、こうした“誠意”が報われないケースも珍しくない・・・

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