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先人たちの技術の追求によって、「投げる、打つ」だけでなく、守備も進化を遂げている近代野球。一塁に最も近いからと、二塁手が内野3番手にあったのは遠い昔だ。内野守備の要を担う二塁手が9つのポジションの中でも難易度、重要度ともに高いレベルにあるのは間違いない。そんなセカンド守備の深遠な世界の一端を仁志敏久(元巨人ほか)の寄稿にのぞく。


捕り方は投げ方


 いぶし銀──。
 堅実──。

 一般的なセカンドに対する印象といえばそんなところでしょうか。

 昔は「ファーストに近いから体に当てて前に落としてからでも間に合う」。そんな指導をされることもありました。体の正面で捕りなさいという指導が最も成されるポジションだったかもしれません。

 しかし、昨今、野球は変わり、戦術、技術ともに合理性が求められ、選手やポジションの特性を加味した指導や考え方が必要とされる時代になりました。

 セカンドというポジションはその最たるところとも言えるでしょう。冒頭に記した一般的な印象とは違い、プレーしている選手たちが目指している領域はもっと高度で繊細になっています。求められる資質も今後はもっと変化していくのではないかと思っています。

 セカンドの難しさの一つに、見えない角度への送球がよく挙げられます。

 右方向へ打球を追い、追った勢いを吸収しながら180度反転して送球。この間、瞬時に投げる手へとボールを握り替え、ムダなく送球へと移行していきます。この一連の流れをより速く、よりスムーズにするための動作の選択が非常に難しかったりするのです。

 守備において最も重要なのは

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