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開幕してから1カ月が過ぎ、アマチュア球界もシーズンが白熱している。プロを目指す選手が各地で熱戦を繰り広げているなか、スカウトたちは粛々とその日に向けて準備を進めている。ここでは現時点での12球団の最新スカウティング事情をお届けする。



東北楽天ゴールデンイーグルス
即戦力の先発投手がターゲット

 松井裕樹を獲得した昨年のドラフトでは、指名9選手中8選手が投手だった。バランスを考え、今年は全体的に見れば野手の指名に重点を置くことになりそうだ。ただ、先発投手のコマが不足しているチーム状況から、上位指名は即戦力投手が基本となる。現段階で約300人の候補選手をリストアップ。6月に予定している次回のスカウト会議でこの中から絞り込み作業を行っていく。

 球団首脳は「今年は大学生にいい選手がそろっている」と明かす。直近2年間は競合の末に1位指名選手を獲得している楽天。すでに複数球団が指名の方針を明かしている大学No.1右腕の早大・有原航平に熱視線を送っているほか、明大・山崎福也らの名前も挙がっている。地元・仙台大の好サウスポー・野口亮太にも興味を示している。
読売ジャイアンツ
大学生投手を中心に慎重な調査中

 開幕から6勝で安定感抜群の菅野、5勝の大竹以外、6戦勝利なしの内海など先発投手陣が期待に応えられない事情もあり、精力的に有力投手の視察を重ねている。例年、早々に1位指名候補を固め、時には宣言さえしてきたが、今年度はじっくりと見極める方針。

 1月17日に行われた2014年最初のスカウト会議でも投手を中心に上位候補10人をリストアップしており“神宮”では早大・有原航平、明大・山崎福也、中大・島袋洋奨、日大・戸根千明らに密着マーク中だ。特に熱心なのが早大伝統の「11」を背負う最速156キロ右腕・有原で、「即戦力」と熱い視線を注ぐ。また、京大・田中英祐にも連日の視察で評価を高めており、即戦力の大学生投手が上位候補と目されている。
埼玉西武ライオンズ
狙いは先発完投型

 最重要課題は投手の補強だ。昨年秋に、就任したての伊原監督が早々と先発ローテーション6人を指名したが、すでに岡本洋とレイノルズが役割を全うできず、二軍での調整を強いられている。先発投手の駒不足から、新守護神に指名された十亀が適性もあり先発へ再転向する事態まで発生している。

 鈴木葉留彦球団本部長兼編成部長は「毎年、投手が最も大切。故障者が出るから、そこの補強は必要になる」と説明する。今年は大学、高校とも先発完投型の投手が豊富。鈴木球団本部長自ら神宮球場や甲子園に出向き、戦力分析を進めている。スカウトミーティングは、春のセンバツ直後に開かれた。同部長は「会議とは言えない小委員会を開いた。全日本大学野球選手権(6月10日〜15日)以降から本格的に話し合っていく」と今後の見通しを述べている。
阪神タイガース

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