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選手寿命が延び、一昔前に比べるとタイトルホルダーの平均年齢はグッと上がった。それでも“30”を超えて“初めて”というのは、昨年度ゼロ(※日本人選手のみ)であることからも、極めて希なケースであることが分かる。今季はそんなレアなタイトルホルダーが4人も誕生した。彼らがトップに上り詰めたワケとは?(※岸孝之は満30歳)


最優秀中継ぎ投手賞 42HP

勝ちパターンが確立




 12月28日で38歳。16年目のシーズンで初タイトルに「本当にタイトルに縁がなかったので」と笑うが、それはある意味投手としての高い資質がそうさせてしまったという側面もある。常時145キロ以上の速球にカットボール、カーブをコントロールよく投げ分ける「一流のボールと一流のコントロール」が、その時々の監督たちにとって使い勝手のいい投手と映るのはある意味、必然だった。15年間タイトルとは無縁の野球人生となったのは、チーム事情とさまざまなポジションで起用されたからにほかならない。

 入団当初は先発投手として活躍も、阪神暗黒時代では勝ち星がつかない。03年のリーグ優勝時は右肩痛の手術から復帰を目指した時期、そして05年の優勝時は先発ローテながら、打線の援護がなく14敗するなど不運が重なった。その後も10年まで先発をこなしながら勝利に恵まれず。11年から中継ぎ起用は強い真っすぐのコントロールが良かったからだが、現在のようなセットアップマン固定ではなく、抑えに藤川球児(現カブス)という絶対的な守護神がいたことで、あらゆる場面で“つなぎ”としての働きを期待された。

 存在感を示したのが昨年。藤川の抜けた穴を久保康友(現DeNA)が埋められず、中継ぎに、抑えにと14ホールド&14セーブで必死に支えた。これに和田豊監督も信頼を深め、今季は呉昇桓の前のセットアッパーに福原を固定。福原・呉の勝ちパターンを作ったことで、16年目にしてようやく、決められた場所で力をいかんなく発揮できたのだった。


最年長投手と同じジム通いが奏功




 これまで、2007年の日本シリーズ第5戦(11月1日対日本ハム、ナゴヤドーム)での岩瀬仁紀とのパーフェクトリレーに代表されるように、並はずれたパフォーマンスでたびたびポテンシャルの高さを見せ付けてきた。だが、毎年のようにケガに悩まされ、13年も先発ローテーション投手ながら、4度の登録抹消と復帰を繰り返した。「全然自分のボールを投げられていなかった」との反省から・・・

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