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優勝へ向け舞台は整った
残るは金子の残留のみ


【補強ポイントはここ!】
内野の層を厚くする
四番を打てる右のスラッガー

▲中島[写真]、小谷野、バリントン、ブランコと立て続けに大物選手を獲得。19季ぶりのVを目指す来季の戦いがますます楽しみになってきた



穴を埋めた確かな補強


 オリックスの快進撃――。そう言われた今季だったが、優勝には2厘差で届かなかった。クライマックスシリーズもファーストステージで敗退。最後の最後で、選手層の薄さに泣いたシーズンだった。

 まず必要だったのは、高齢化が進む内野の層を厚くすることだ。正二塁手の平野恵一は来季で36歳になる。死球の影響があったとはいえ、今季は故障が多く、終盤の勝負所でも試合に出場できなかった。三塁を守ったヘルマンも、来季は37歳。今季も疲労が溜まる夏場からは、目に見てパフォーマンスが落ちていた。原拓也縞田拓弥、若手の堤裕貴らが穴を埋めたが、シーズンを通して戦うには迫力に欠けた。

 米国帰りの中島裕之は、そこにうってつけの選手だ。内野の複数ポジションを守れる上、打力もある。日本の野球から離れていたことを考慮しても、十分な働きを期待できるはずだ。さらに、小谷野栄一も加わった。中島と同じく内野の複数ポジションを守れる上、2010年には打点王に輝いた実績もある。「最後は点取りゲームで点を取れずに負けた」と嘆いた球団幹部がいたが、それを埋めるには十分な補強だろう。加藤康幸編成部長は「クリーンアップの後ろに、もう一つクリーンアップがあるダブルクリーンアップが作れれば、もっといい戦いができる」と、点を取れる打線にこだわった。

 中島と小谷野が加わったことで、今季は主に一塁を守ったT-岡田を外野で使う選択肢もでき、ヘルマンも休ませながら起用することができる。まさに打線と層の厚みが増したと言っていい。

 また、大砲の獲得も急務だった。今季、32本塁打を放ったペーニャは、交渉が折り合わずに退団。代わりに前DeNAのブランコを獲得した。来日6年間で169本塁打、505打点と実績も十分。日本での経験がある分、計算できることは魅力的だ。

 投手陣の補強も理想的だった。今季2ケタ勝利を挙げたのは16勝の金子と12勝の西だけ。加えて、FA宣言した金子の去就は不透明だ。仮に残留しても、11月末に右ヒジを手術しており、今季のような活躍ができるかは分からない。ある球団幹部は・・・

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