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特集・2015ドラフト総決算

元巨人チーフスカウト中村和久による2015年ドラフト総括

 

スカウト歴25年の中村和久氏(元巨人チーフスカウト)は10月22日のドラフト会議をどう見たのだろうか――。各球団の1位選手を挙げながら「運命の日」を総括していく。

現場と編成の意見が一致。12球団とも有意義な補強


 12球団とも100点に近いドラフトであったと思う。なぜかと言えば、現場(監督)が思い描く2016年のゲームプランとシミュレーションに対して、フロントが要望に擦り合わせる形での指名を実現させたからだ。つまり、双方の考えが一致した有意義なスカウティングだった。1巡目の第1回入札では5球団が単独指名、県岐阜商・高橋純平に3球団、仙台育英・平沢大河、明大・高山俊に各2球団が競合。抽選に外れた4球団も結果的に、補強ポイントとして確保したい戦力を獲得できたのではないのだろうか。

 平沢を外した楽天は野手としてレギュラーを狙える選手として関東一・オコエを獲得。2位で大商大・吉持、3位で早大・茂木と将来的に二遊間を任せられる2人を指名し、平沢の“穴”は埋められたのではあいかと思う。高橋を外した中日は、同じく高校生投手で東海大相模の左腕・小笠原と将来を見据えたチーム作りが明確に見えてきた。日本ハムは高橋に続き、小笠原も外したが、“外れ外れ1位”で明大・上原を獲得。栗山監督が神宮で直接視察した左腕であり、2位以降も特長のある4投手を獲得できたことから“抽選負け”のイメージはない、と言える。

 事前に1位入札を公表してきたヤクルトだったが残念な形で明大・高山を逃し・・・

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