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2016日本人メジャー総括

マリナーズ・岩隈久志 エースとして踏ん張るも…

 


 日本人で、エースとしてシーズンを通してチームを引っ張った投手は多くはない。2016年の岩隈久志は見事だった。本来のエース、フェリックスヘルナンデスがケガで離脱する中、5月中旬から8月中旬まで13勝3敗と勝ち頭として先発ローテを守り抜いた。終盤はプレーオフ出場をかけ激戦が続き、9試合で2勝5敗だったが、うち6試合はクオリティースタート。打線の援護がなかっただけで、最後までチームに勝つチャンスを与え続けた。それだけに現地時間10月1日、最終登板のアスレチックス戦が4回途中5失点降板で終戦となったのがよほど無念だったのだろう。涙をこぼし、「チームに申し訳ない気持ちです。この悔しさをバネに、また一つ大きくなれる自分に成長していきたい」と誓っていた。今季は、最大の武器であるスプリットが相手に研究され、被打率が1割台から・249と跳ね上がり、それが自己ワーストの防御率4・12の要因となった。ピッチャーとしてのIQが極めて高い岩隈が来季以降、どう対応していくのか、見ものだ。

■2016年投手成績
試合数 33
勝利 16
敗戦 12
セーブ 0
投球回 199
奪三振 147
自責点 91
防御率 4.12

文=奥田秀樹
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