週刊ベースボールONLINE

わが愛しのスタジアム

コロナと共存する野球場

 


 ソーシャルディスタンスをシミュレートしたあるコンサート会場の画像を見て、驚いた。これが近い将来に訪れるかもしれない「ニューノーマル(新常態)」なのか、と。客席は約2割しか埋まっていないのにもかかわらず、ポストコロナ社会においては「満席」の位置づけとなるのだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言下においては、3密(密閉、密接、密集)の回避が叫ばれている。同宣言が解除されても、感染予防対策には外せないキーワードとなるだろう。新しい生活様式。ホールを野球場に置き換えてみれば、コロナ以前の、超満員のスタンド風景はしばらく、見られないのかもしれない。

「野球だけではなく、スポーツ観戦というものが今後、どうなっていくのでしょうか……。『箱モノ』の概念は大きく変わるのでは……」

 ある球場関係者は、静まり返ったグラウンドと、誰もいない無人のスタンドを見つめながら、そんな感情をめぐらせているという。

 3月20日。当初、予定されていたプロ野球の開幕から2カ月以上が経過した。感染拡大の影響から「延期」を繰り返してきたが5月25日、6月19日の開幕が決まった。

 野球シーズンが開幕しなければ、スタジアムも「休業」が続く。ある球場では緊急事態宣言が発令されて以降・・・

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