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セ・リーグ下位3球団の逆襲!!

 

「もう、セ・リーグのクライマックスシリーズ進出チームは決まった」。AクラスとBクラスの差が開き、こんな“陰口”もたたかれ始めていたが、おいそれとそれを受け入れるわけにはいかない。
当然、上位進出を目指し、中日ヤクルトDeNAの首脳陣、選手は燃えに燃えている。逆襲を誓うセ下位3球団。“セ界”を面白くしてみせる!

(成績は5月12日現在)

4位 中日ドラゴンズ[37試合、16勝21敗0分、勝率.432]

目標さえ共有できていれば戦える
ルーキー指揮官は忍の一文字


 今季のセ・リーグは、広島巨人阪神の3強とそれ以外の3弱に早々と線引きされた。昨季は12年ぶりにBクラスに転落したが、谷繁元信兼任監督の就任でムードは一変すると思われていた。その中日が首位と8ゲーム差の4位。低迷の要因を追う。

 エース・吉見一起の不在。これは昨年6月に右ヒジじん帯の移植手術を受けた時点で分かっていたことだ。セットアッパー・浅尾拓也の離脱も、ここ数年の故障歴を見ればある意味では想定内の出来事。残りの主力選手に関しては多少の好不調はあるが概ね体調も良好。打線の目玉である新四番の平田良介も、打点の少なさが気にはなるが打率は3割を超えており、十分に健闘していると言える。

 では、どこに問題があるのか。最も目を引くのは与四球の多さ。リーグワーストの139個。これが失点に結び付くケースが非常に多い。友利結投手コーチはこう分析している。

「特に先発投手の立ち上がりと7回以降にね。それは技術ではなくメンタルでしょ。逃げる投手は見たくない。相手打者を過大評価して、自分のボールを信じられていないのが四球が多い理由だと思っています」

 制球力の欠如ではなく、マウンドでの闘争心の問題。統一球が「飛ぶ」ようになった昨季から、四球が激増。それは慎重に投げた結果ではなく、打たれることを恐れ歩かせているというのがベンチの見立てだ。もちろん中には戦術的に意味のある四球もあるが、投手にとって最も大切なのは打者に向かっていく気迫。この数値には「たかが四球」では片付けられない重みがあるということだ。

 加えて防御面では、開幕前から懸念されていた盗塁阻止率の低さが現実となっている。33試合消化時点で33盗塁! 重盗を2度、単独の三盗も2度決められている。特に巨人には14盗塁で刺したのはゼロ。まさしく“フリーパス”の状況だ。「さすがに43歳の兼任監督では衰えは隠せないのでは……」。この数字だけを見ると悲観的な意見が出てくるだろうが、必ずしもそう言えないのが中日の苦しさだ・・・

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