年が明け、2週間あまりが経過したが選手たちも新しいシーズンへ向け本格的に始動。どの選手にもテーマがあり、戦う理由を持っているが、ここでは今季、目が離せない3選手をピックアップ。それぞれの立ち位置で意気込む彼らの心意気―― 大谷翔平 唯一無二の存在へ 井納翔一 謙虚さの裏にある決意 忘れられない頂上決戦での屈辱
▲軽快にノックを受ける西岡。二遊間で勝負する覚悟はできている
軽快な動きがすべてを物語っていた。世間は正月気分の抜けない1月7日。
西岡剛は西宮市内で
日本ハム・
中田翔らと精力的に汗を流していた。塁間でキャッチボールを行い、ティー打撃でも鋭いスイングを披露。昨年11月に右ヒジ遊離軟骨の除去手術を受けたとは思えないほど、ハイペースで仕上げていた。
「2月1日に試合ができるぐらいの体作りをしてキャンプに入りたい。2015年は僕自身、勝負の年ですから。今日は塁間で投げましたけど、ここから30、40、50メートルと距離を伸ばしていけたらいいですね」
年末年始も温暖なロサンゼルスで極秘トレーニングを敢行。明るい表情と強気な言葉も、順調なリハビリ過程を踏んできた証しだった。
いつも笑みを絶やさないのが、西岡の流儀だが、頂上決戦で味わった屈辱を忘れるはずがない。
昨年10月30日の日本シリーズ第5戦(ヤフオクドーム)。1点を追う9回一死満塁で一ゴロを打った西岡は、一塁線の内側を走っていた。一-捕-一の併殺を狙った
ソフトバンク・
細川亨の送球が背中に当たったものの、審判の判定は守備妨害。併殺が完成し、猛虎の2014年は幕を閉じた。
「僕でシリーズが終わったのは1年間を象徴している。ファンやチームメートに申し訳ないという言葉では済まされない」
苦しみ続けたシーズンの最後の最後に、またもや待っていた試練。西岡も肩を落とすしかなかった。
フレッシュな状態でみなぎるやる気
振り返れば
阪神移籍2年目となった昨季は波乱万丈のシーズンとなった。
開幕3試合目だった3月30日の
巨人戦(東京ドーム)の2回。1点を先制され、なおも二死一、二塁のピンチで、巨人・
大竹寛の二塁後方に上がった打球を追い、右翼・
福留孝介と激突した。跳ね上がるような格好で後頭部から地面に転倒。脳震とうを起こし、身動きが取れなくなった。阪神、巨人ファンの「西岡
コール」が響き渡る中、場内に乗り入れた救急車で搬送されるほど、深刻な事態だった。
「球場に倒れている間は・・・
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