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オフの恒例行事!武田翔太らが参加のプロ野球宮崎県人会チャリティーイベント

 

今や宮崎県野球人の年末一大イベントとなっているプロ野球宮崎県人会(池田親興代表)。ケガなどの大きな理由がない限り、宮崎県出身のプロ野球現役選手やOBが12月28、29日一同に会し、チャリティーイベントを行っている。プロ入り3年目のソフトバンク武田翔太もまた、このイベントに3年連続で参加。オフには欠かせない恒例行事となっているようだ。
取材・文=椎屋博幸 写真=前島進 取材協力=プロ野球宮崎県人会、OFFI CE31



地元子どもやファンと直接触れ合う1日目


 宮崎、冬の風物詩=プロ野球宮崎県人会だ、とは言い過ぎだろうか。宮崎の野球人なら地元のお正月番組でも目にするはずだ。というのもプロ野球宮崎県人会は2104年で18回を迎えた。このイベントに武田翔太は、入団以来3回目の参加となった。

「小さいころからテレビで見ていましたからね。面白いなあ、楽しそうだなって。今、その場所に自分がいることが不思議な気分なんです」

 初日となった昨年12月28日は、ソフトバンクのキャンプ地、生目の杜運動公園内のはんぴドームで小学生の野球チームを対象に野球教室を開く。黒木知宏(現日本ハム投手コーチ)の司会で、武田をはじめ、メジャー・リーガーの青木宣親井手正太郎(DeNA)、草野大輔(楽天コーチ)、加治屋蓮(ソフトバンク)、浜田智博(中日ドラフト2位)などとともに約2時間、キャッチボールなど基本をしっかり教えた。

 教室の最後には、恒例となっている小学生との真剣勝負も待っていた。武田はこれで3回目。1年目は小学生相手に140キロのスピードボールを投げるなど、大人げない真剣勝負を繰り広げた。今回も1番手としてマウンドに上がった。だが、先頭バッターに対し1球もストライクが入らない。5球続けてのボールで、司会の黒木コーチから叱咤激励の声が飛ぶ。その中でようやくストライクが入るとエンジン全開。130キロ台の速球で空振り三振に斬って取った。「軟式の小学生用のボールで投げますからね。小さ過ぎます(笑)。ストライク入らないのは当たり前ですよ」と汗びっしょりで帰ってきた武田。浜田とは対照的な真剣勝負だった。

「僕自身も非常に楽しみにしているんです。地元の野球に貢献したいですし、子どもたちに野球を教えたいし、楽しさを教えたいので。まあ、この時間は子どもたちに楽しんでほしいですよね」



▲野球教室では丁寧に教えながら子どもたちと一緒にキャッチボール。その後は恒例のガチ勝負で小学生を空振り三振に取る武田。



 昨年12月県知事選挙に当選し2期目の河野俊嗣知事がマニフェストに「宮崎から甲子園優勝校を作る」と揚げたが、武田も少しでも地元にプロ生活で得たモノを還元しようという気持ちで対決のマウンドに上がっているのだ。

 野球教室が終わると、県人会全員でバス移動しイオンモール宮崎内でチャリティー・トークショーに参加。全員で約1時間。若手選手30分、ベテラン30分ずつ登壇して裏話や面白トークが繰り広げられた。壇上に武田が上がると一段大きな拍手が沸き起こる。日本シリーズでの大活躍は、宮崎県人にとっては誇りとなっているようだ。



▲モール内の特別会場では若手選手たちや黒木コーチなどと軽快なトークを繰り広げ、オークションでは実際に履いていたスパイクを出品した



 武田は日本シリーズでの甲子園球場で浴びせられた面白いヤジや、侍ジャパンのチームメートだった阪神藤浪晋太郎に伝家の宝刀・スライダーを伝授したことなどを話した。最後は「まだ1度も1年間先発ローテーションを守ったことがないので、今年こそ先発ローテを守り切り日本一に貢献したい」と抱負を語った。1日目は宮崎のファンとの交流が中心で終了となった。

宮崎の先輩たちと絆を深める2日目


 2日目は早朝から宮崎市内のUMKカントリークラブで、ゴルフコンペが開催された。地元のファンとともにラウンドをして楽しむ企画。武田は朝7時半には加治屋とともに、練習場で打ちっぱなしを行った。

 組では1歳年上の浜田とラウンド。浜田は自身初のゴルフラウンドということもあり武田は「人生初めてのティーショットですよ、皆さん!」とカメラマンに呼びかけるなど終始リラックスの様子で18ラウンドを駆け抜けた。

 ホール途中では多くのファンがサインを求めてきたが、終始丁寧な対応で書き続け、長打の列ができ、後ろの組に迷惑をかけてしまうハプニングも。それだけ宮崎でも人気があることを証明した。ホール後は、これも毎年恒例のテレビ収録で、OB対現役選手とのドラコン対決を行うのだが、ここでも先輩、後輩関係なくガチ勝負で大いに盛り上がるなど、宮崎のプロ野球選手たちの絆を深めていった。「シーズン中に宮崎県出身の先輩などに会うことはなかなかないので、このイベントは楽しみになっています」と先輩やOBとも笑顔で談笑する場面が多かった。

「本当に楽しいですからね。僕がプロ野球選手でいる限りは毎年必ず参加しますので(笑)」



▲2日目は朝7時からゴルフ場へ。地元のファンと、そして宮崎のプロ野球の先輩たちとのんびりラウンドし、親交を深めた。だがファンへのサインはシーズン中と同じで手を抜くことない



 12月28、29日は県人会のイベントが武田の恒例行事。ふるさと、宮崎に野球で恩返しをしつつ、また次のシーズンへの活力を地元のファンからもらっている。武田にとっては1年間で最も重要な2日間となっているようだ。
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