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キャンプクローズアップ

大谷翔平 二刀流3年目のチャレンジを追う

 



沖縄・名護で行われているキャンプは3週目に突入した。二刀流3年目に向けて、20歳の若者はいかに準備を進めているのか。昨季は11勝10本塁打の成果を残した。それをさらに進化させるためにストイックな日々を送る。
文=高橋和詩 写真=早浪章弘

慎重に見極めるワインドアップ


 ようやく訪れた球春の話題を独占している。大谷翔平、20歳。プロ3年目を迎えた若き日本球界の至宝は順風満帆に、さらに上のステージへと歩み出した。誰もが不可能と思った投打の二刀流への挑戦。昨季は11勝&10本塁打で、球聖ベーブ・ルースとの比較論に発展するほどのブレークを遂げ、否定的な雑音の中から肯定的な意見が噴出するほど周囲の評価を変えた。そして今季、規格外のプレーヤーが見据えるものとは――。

球場脇のグラウンドでトレーナーとともに敏捷性、反射能力などを養うためのトレーニング。リラックスした雰囲気で時折り笑顔も



 2月1日に沖縄・名護でスタートした春季キャンプから目指す、その一端が見えつつある。

 初日から入ったブルペンでは、一目で変化が表れた。両腕を大きく振りかぶって始動し、恵まれた肉体を迫力満点に躍動させる投球フォーム。ワインドアップで投げ込みを行っている。昨季はセットポジションだったが、試行錯誤する中でオフの自主トレ中から感覚をテストしてきた。「方向付けがしづらい。ただでさえ身長がある。一つのばらつきで、大きくばらつくことになる。シーズンに入る前に試したい」。周囲は騒いではいるが、あくまで試験的に運用しているだけで慎重に見極めている最中だ。

 ワインドアップは昨季のセットポジションとは違い、余計な動作が増える。その分、フィニッシュへ至る過程までに精度を欠き、コントロールの面でマイナスに影響する可能性がある。主にセットポジションだった、かつてのダルビッシュがそうだった。

 ワインドアップにすることによるパフォーマンス上のメリットは、見た目以上に少ない・・・

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