中田翔は5月27日試合開始前時点で、打率.251、本塁打17、打点45。本塁打と打点はリーグトップ。四番として首位を走るチームをけん引している
順位にダイレクトに影響を及ぼす各チームの四番事情
各チームとも交流戦前まで約3分の1の日程を消化。攻撃の軸である「四番」に注目をして見た。
開幕戦の各チームの四番は、セ・リーグは、
DeNA=
筒香嘉智、
巨人=
阿部慎之助、
中日=ルナ、
ヤクルト=
雄平、
阪神=ゴメス、
広島=グスマン。
パ・リーグは
日本ハム=中田翔、
ソフトバンク=
内川聖一、
西武=
中村剛也、
ロッテ=
今江敏晃、
楽天=ペーニャ、
オリックス=
中島裕之だったが、交流戦直前(5月24日)で同じ四番だったのは半分の6球団(DeNA、中日、阪神、日本ハム、ソフトバンク、西武)。その中で不動の四番はDeNAの筒香、阪神のゴメス、日本ハムの中田、ソフトバンクの内川の4人だ。
開幕戦(3月27日)と交流戦直前(5月24日)の試合の四番打者 ※左が開幕戦、右が交流戦直前の試合 ・DeNA:筒香嘉智→筒香嘉智 ・巨人:阿部慎之助→坂本勇人 ・中日:ルナ→ルナ ・ヤクルト:雄平→畠山和洋 ・阪神:ゴメス→ゴメス ・広島:グスマン→新井貴浩 ・日本ハム:中田翔→中田翔 ・ソフトバンク:内川聖一→内川聖一 ・西武:中村剛也→中村剛也 ・ロッテ:今江敏晃→クルーズ ・楽天:ペーニャ→中川大志 ・オリックス:中島裕之→カラバイヨ DeNAの筒香は、打率.331、本塁打11、打点40とリーグトップの三冠。首位を走っているチームを牽引している。日本ハムの中田も打率こそ低いが、本塁打はリーグトップの16本、打点もリーグ2位の40打点と勝負強さを発揮。こちらも首位チームの不動の軸としてどっしりと四番に座っている。
ソフトバンクの内川も開幕当初は低迷していたが、3割近くまで打率を上げている。この3チームで共通しているのは、前後の打者も固定されていることだろう。DeNAは三番はほとんど
梶谷隆幸で五番は全試合ロペス。日本ハムも、当初三番で故障した
陽岱鋼に変わり、
田中賢介。五番は新外国人のハーミッダ。ソフトバンクは
柳田悠岐が全試合で三番に座り、五番も2試合を除き
李大浩が座る不動のクリーンアップを形成している。また西武も中村が1試合スタメンを外れたが、残りの45試合は一番・
秋山翔吾、二番・
栗山巧、三番・
浅村栄斗、四番・中村、五番・
メヒア、六番・
森友哉と不動の打順を形成。チームも好調で首位争いを演じている。
一方、誤算が生じたチームもある。前評判の高かった広島とオリックスだ。
広島は昨年の本塁打王・
エルドレッドがケガで開幕に間に合わなかったため、新外国人のグスマンを四番に据えた。8試合で打率.333と結果を残していたが故障で離脱。その後、
ロサリオ、
松山竜平と起用したが結果を残せず、古巣に復帰した新井貴浩を四番に据えた。新井は四番(24試合)で打率.348、19打点と期待に応えいて、得点力不足のチームの救世主になれるか注目だ。オリックスも開幕戦は、アメリカ帰りの中島を四番、移籍してきたブランコを五番に据える布陣だったが中島は不調、ブランコは早々に故障。打線の軸を作れず開幕ダッシュに失敗した。
投手7割、打者3割と言われる野球だが、やはり四番を中心としたクリーンアップの存在もチームの勝敗には大きな影響を与えている。
文=永山智浩