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四国アイランドリーグ 北米遠征記

 

四国ILの海外遠征は過酷な17連戦の幕が開けた。現地の気候、環境に四苦八苦しながらも、初勝利。キャンナム・リーグを舞台に選手は着実に成長している
取材・文・写真=高田博史

各地で歓迎を受ける遠征チーム。現地では全試合が「JAPAN/SHIKOKUDAY」とし、四国の魅力をPRする活動も行われている



 四国アイランドリーグplusオールスターズが挑む17連戦は6月12日、ニュージャージー州モンクレイから始まった。対戦相手のニュージャージー・ジャッカルズはリーグ2位につけており、ここまで8連勝中だ。アイランドリーグ・オールスターズの主将・松嶋亮太(徳島)が円陣の中心で言った。

「暑いですけど、日本の野球を見せてやりましょう!」

 非常に蒸し暑い。日本の夏と変わらない「酷暑」がいきなり襲い掛かってきた。そのうえ、滑りやすいボールに深い芝生が普段の野球をさせてくれない。一、二塁間を抜けたと思われる打球が、二塁手の網にかかってしまう。連敗からの厳しいスタートに中島輝士監督が語った。

「負けから学ぶことはいっぱいある。まだまだヨソ行きの野球しかできていないし、本来の自分たちの野球ができていない。ただ、こういう経験は今後につながると思うし、選手は若いからいろいろなものを吸収できる」


慣れない異国でのプレー。さらには、かつて経験したことのないような連戦。選手たちに疲れもあるが、その中でそれぞれが経験を積んでいる



 14日のデーゲーム、ジャッカルズとの最終戦で先発のネイラー(香川/豪州)が8年間のマイナー経験を大いに発揮した。6回2失点で試合の流れをつくると、打線も宗雪将司(香川)の中前適時打など10安打を放ち、北米遠征初勝利を挙げた。

 試合後、選手を乗せたバスはニュージャージー州オークランドに向かう。途中でスーパーマーケットに寄り、各自で夕食や飲み物などを調達して次のホテルに着いた。

 15 日、オークランドでのサセックスカウンティ・マイナーズとの3連戦初戦は、雨のため中止となり、翌日、7イニング制でのダブルヘッダーが行われた。しかし、驚くのは気温の変化だ。昨日までの蒸し暑さが嘘のように消え、湿気がなくなったことで一気に肌寒くなった。

 17日、吉田嵩(徳島)、川崎貴弘(香川/中日育成)、秋山陸(高知)の3投手が無失点リレーでつなぐ。打線も13安打9得点を挙げ、マイナーズとの3連戦を2勝1敗で終えた。

 翌18日からは、ニューヨーク州ポモナに移動してのロックランド・ボールダーズとの4連戦。昨年のチャンピオンであり、今季も優勝争いの真っただ中にいる強豪が、正田樹(愛媛)、福永春吾(徳島)両先発を簡単に打ち崩してしまった。

「強い。ウチのチームよりレベルが一つ上、ちょっと衝撃的だったね。NPBでもすぐ通用するバッターがいるし、正田があんなに打たれたのは見たことない。ある程度確立している正田の投球を、真っすぐに合わせてボールになる変化球に手を出さない。こういうチームと対戦できるのは、我々にとって最高の経験だよ」(中島監督)

 これで8試合を終えた。選手たちの疲労は今、ピークに差し掛かっている。

彼らの遠征の模様は、公式サイト(www.iblj.co.jp/)にて随時ダイジェスト映像が配信中だ

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