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四国アイランドリーグ 北米遠征記

 

遠征の旅は、北米・カナダに上陸。本気で挑んでくる相手を前に、勝利が遠い。選手たちは、野球の質の違いにも直面している。
取材・文・写真=高田博史



 アイランドリーグ・オールスターズの北米遠征は、アメリカでの試合を終えた。3球団と対戦した10試合の成績は、現在、キャンナム・リーグの首位を走るロックランド・ボールダーズ(ニューヨーク州)に4連敗を喫するなど、3勝7敗と負けが先行している。

 6月21日(現地時間)、ボールダーズに9回サヨナラ負け(1対2)を喫したあと、選手を乗せたバスはニューヨークをあとにした。約9時間の長旅を経てカナダ、ケベック州トロワリヴィエールに到着。休む間もなく3試合を行っている。

試合はキャンナム・リーグ公式戦に組み込まれているので、相手チームは本気で挑んでくる



 22日、トロワリヴィエール・エーグルスとの初戦は14安打を放ち、アイランドリーグ・オールスターズが4勝目を挙げた。ここに来て、キャンナム・リーグの投手が投げる「動くボール」にうまく対応できるようになってきたようだ。この日、先制の中越え二塁打を含め、3安打3打点の小林義弘(徳島)が語る。

「投げ方も球質も全然違う。どう慣れていくかが必要だと思うんですけど、やっと慣れてきたというか。これまでも振ってはいたんですが、当てにいくことが多くて、自分らしくないスイングが続いていた。ストレートが動くことばっかりを気にしていたのが、今はどんどん振っていけるようになりました」

 キャンナム・リーグの打撃成績上位に食い込んでいる松澤裕介(香川)や高田泰輔(愛媛)らを中心に、打線が勢いを見せ始めている。

 だが、それ以上に強力な相手打線に、どこかでビッグイニングを作られ大量得点を奪われてしまう。現在4位、チーム打率.250ほどのエーグルスにしても、やはり打線は力強い。中島輝士監督(徳島)が語る。

「このチームはいま低迷しているんだけど、力は日本人に比べたらあるし、バッティングもほかのチームと比べてそん色がない。やっぱり振れているし、しっかり打つし。怖いよ」

 警戒しすぎるあまり四球で歩かせ、走者をためてしまう。気を付けなければいけないのは4回以降、2巡目からだ。1巡目の沈黙を破って積極的に相手打線は振ってくる。当面の課題は「いかにビッグイニングを作らせないか」だろう。

「今チームは荒波のど真ん中。これをどう乗り越えるか、もがけばいい。それが、明日の力になるし、知らず知らずのうちに選手たちの力になる」

 25日からはケベック・シティに移動し、ケベック・キャピタルズと2試合を行った。初戦は落としたが、26日の試合でネイラー(香川/豪州)が9回二死まで1失点の好投を見せ、4試合ぶりの勝利を手にした。

 試合後、深夜にバスで4時間を掛けてオタワに移動。27日からこの遠征最後となる2連戦に挑んでいる。



初戦のセントポールセインツ混成チームとの親善試合を含めると、26日までで6勝10敗。1勝の難しさを痛感している

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