いよいよ開幕したWBC。侍選手たちの決意は確かなものだが、メンバー中最年少の左腕・松井裕樹(楽天)にはもう一つ、戦う理由があった。過去の自分を乗り越えるために──。雪辱の舞台はここしかない。 取材・構成=富田庸、写真=小山真司、BBM) 想像もできなかった最高峰の戦い
長足でステップアップしている。プロ入りして4度目の開幕を迎える前に、WBCに出場する。見る側から戦う側へ。世界最高峰、未知の領域で戦う高揚感とともに、負けられない重圧も一緒に背負う21歳の左腕。覚悟を決め、結果が求められる戦いへの準備を進めてきた。 ──プロ4年目、大学に進んでいれば最上級生の学年になります。東京六大学の明大野球部では同じ桐光学園高出身の中野速人選手が主将になったりと、上の立場になる選手が増えてきているようですね。
松井 高校の同期で毎年12月に集まって、近況報告会をするんです。中野からはそのときに「キャプテンになる」と聞きましたし、ほかの大学でもキャプテンや副キャプテンなど、要職に就くヤツも多いみたいで。自分の刺激にもなりますよね。
──楽天でも後輩が増えてきて。
松井 いやあ、まだまだですよ。後から入ってくる選手でも、大卒の方が多いですしね。グラウンド整備もそうですし、ボール出しとかもやらなきゃいけない立場なので。年下は安樂(
安樂智大)くらいじゃないですか。
──この春季キャンプではドラフト1位ルーキーの
藤平尚真選手の“教育係”を自ら買って出たそうで。
松井 久米島キャンプでは同部屋でしたからね。彼は横浜高出身で、年代としては入れ違いなんですけど、関わった人で共通の知り合いがいたりとかしたので。グラウンドでいろいろと教えることはありましたけど、部屋では普通に接してましたよ。プライベートな時間くらい、上下関係は取り払ってあげたかったので。
──その4年目のシーズンが近づいているわけですが、その前に、WBCでの戦いがスタートしています。世界の舞台で戦う準備はできているようですね。
松井 もちろんです。楽天でのキャンプから実戦を多く入れてきましたし、WBCを見据えた準備をしてきました。投手コーチの権藤(
権藤博)さんには・・・
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