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メンドーサ投手・メキシコ出身のロン毛の剛腕

 



 前評判どおり、新天地での1年目へ突入する。ルイス・メンドーサがきっちり照準を合わせてきた。3月11日の西武戦(札幌ドーム)でオープン戦2試合目の先発。6回を4安打に抑え、内野ゴロでのアウトが11個と本領を発揮した。「落ち着いて投げられた。三振を狙うタイプじゃないし、満足している」。キャンプ中はドタバタな一面もあったが、帳尻を合わせた。

 一時は不透明だったが、開幕ローテーション入りへ当確ランプがともった。キャンプ中の韓国球団相手の2度の実戦では計7回、13安打で6失点と大乱調。今季から禁止され、メジャーでは昨季も適用されていた、けん制の三塁偽投によるボークでの失点もあり、首脳陣を不安にさせていた。4日巨人戦(札幌ドーム)でも初回に3失点と立ち上がりの不安定さも露呈していた矢先の快投だった。

 メジャー通算16勝。昨季限りでケッペル、ウルフと近年の投手陣を支えてきた2人がチームを去った。新たな助っ人の中で、一番の目玉がメンドーサ。補強にシビアな球団が2年契約、年俸1億円(推定)と好条件を提示してまで獲得にこぎつけた。30歳という若さも魅力で数年前から狙ってきた。指揮官が「やってもらわないと」と期待が大きいのも分かる。

 メキシコ出身らしい陽気な性格と長髪の独特なスタイル。新スター候補の1人だ。「あとはコンディションを維持するだけ。ケガは自分で制御できないので毎日のルーティンをこなしていく」。日本食にも積極的に挑戦し、日本の使用球に合わせて技術面も調整している。柔軟に順応しようとする姿勢に、成功の予感がある。「ロン毛の剛腕」に注目だ。
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