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阿部慎之助捕手・球団創設80周年に日本一奪回へけん引

 



 開幕を前に、主将の阿部慎之助は胸の高鳴りを抑えながら、「ドキドキしているのと、ワクワクしているのと、いろんな気持ちが入り交じっている」と笑顔を見せた。

 昨季は圧倒的な力でリーグ制覇を飾りながら、自信の不振も重なり日本シリーズでは楽天の前に惜しくも敗れた。「すべてにおいてもう一歩のところが多かったので、そのもう一歩を行けるように頑張りたい」と気持ちを新たにし、オフを過ごした。キャンプ初日に全力で走り、投げられるようにとの原監督の方針もあって、グアムでの自主トレーニングも精力的にメニューをこなした。

 オフには大きな出来事もあった。昨年12月に渡米し、大先輩である松井秀喜氏とニューヨーク対談。松井氏からは「とてつもなく大きい」とチーム内での阿部の存在感を認められた。春季キャンプではその松井氏が臨時コーチを務め、チーム全体がいろいろな助言をもらった。松井氏が若手のためにと、フリー打撃を行った際には阿部が投手役を務めた。「難しい動きをしない。シンプルに来た球を打つようにスイングしている」とその高い技術を目の当たりにした。松井氏は大黒柱として伝統ある巨人を長年、引っ張った。今、その立場に阿部がいる。松井氏が臨時コーチを務めたのは宮崎にいる約2週間だけだったが、阿部は「(松井氏がいて)すごく充実していた。やはり、すごいなと。いつも再確認する」と言った。

 今季も優勝候補の大本命。「とにかく、今いるメンバーで最後まで行くのが理想。ケガ人も出なようにしないといけない。このメンバーで喜べるようにしたい」と主将は長いシーズンを見据えた。
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