後半戦でキラリと光る活躍を見せているのが2年目の
石山泰稚だ。中継ぎでは防御率5点台と苦しんでいたが、前半戦最後の登板となった7月15日の
巨人戦(東京ドーム)で初の先発マウンドを託された。「一軍に残って投げるには、これがラストチャンス」と奮い立った右腕は、7回まで2安打無失点の快投。8回に失点して白星こそ逃したものの、内容を評価されて後半戦は先発ローテーションの一角を担うことになった。
球宴明けの7月23日の
広島戦(神宮)で2度目の先発登板。この日も7回を4安打1失点と2試合続けて好投し、首脳陣の起用に見事応えた。
快投を導いたのは、精神的な奮起はもちろん、技術面の向上に取り組んだ結果だ。思うような成績が残せない前半戦に、コーチやチームメートらからの数々の助言を取り入れてきた。その中でも代表的なものは、投球フォームの変更だ。高く上げた左足を下げる際に一度「タメ」を作るのが従来の形だったが、その「タメ」を作る際に間(ま)が空くことで力みを生み、球のキレや制球力が悪くなる原因になっていた。現在は間を作らずに「一連の動作で」流れるように投げているという。
高津投手コーチは「中継ぎと違って先発は『一人打たれても次を抑えればいい』という気持ちで投げられているのが大きいのかもしれない」と好投の要因を分析。当初は試験的に考えていた先発起用だったが、「外せないね」と今後もスターターを任せることを明言した。
右腕の次なる課題は変化球の精度だ。「後半戦はチームに貢献できるような投球をしたい」と気合。先発投手陣の救世主になってみせる。