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熊代聖人外野手・遊撃転向でレギュラーへ殴り込み

 



 ここ2シーズン空いている遊撃の定位置争いに、外野手・熊代聖人が新たに名乗りを上げようとしている。今季開幕当初は右翼のレギュラー最有力候補と目されたが、キャリア最少の46試合出場にとどまる悔しい結果に終わった。長く過ごした二軍でのプレーを見て、シーズン終了後、黒田二軍コーチは潮崎二軍監督へ「熊代に内野をやらせてみたい」と進言。同監督も「可能性があるなら」と快諾し、フェニックス・リーグから取り組みが始まった。熊代本人も「やるからには絶対に中途半端で終わりたくない」と鼻息は荒い。

 もともと社会人時代に二塁手の経験があるだけに、素地はある。加えて「肩が良い、足が動く、人一倍の反復練習に耐えうる体力もある。遊撃手として一番大事な要素を持っている」と黒田コーチ。田邊監督も「遊撃のレギュラーを獲るつもりでやれ!」と秋季キャンプでも、完全に内野手として扱い、全メニューを消化させた。

 現時点で最も苦戦しているのが、ショートスローだ。捕ってからのショートスローの動きは、「打撃のフォームと一緒」だと奈良原コーチから教わり、マスターしたいとの思いに拍車がかかった。というのも熊代の最大の課題が打撃だからである。内野守備練習は下半身強化にも効果絶大だと言われる。

「相乗効果になればいい」と自身も考えるとおり、打撃向上も大いに期待したい。

「できないことができるようになったり、新しいことに挑戦したり、ただただ野球が好きだった子どものころの感覚が戻ってきている。今、野球がより楽しい。来年こそ必ず期待に応えたい」

 泥まみれでクタクタながらも、そう語る目は煌々と輝いている。
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