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山口鉄也投手・故障を乗り越え、戻る鉄腕

 



 自身のプロ野球記録を更新する7年連続60試合登板を果たし、プロ野球史上初の200ホールドもマークした。山口鉄也は今季も記録ラッシュ。ただ、本人は「自分が打たれて1敗してしまった」と悔やむシーンがある。

 阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの第3戦だった。2対2の7回に登板したが、一死一塁から鳥谷の左翼線への二塁打で二、三塁とされる。続くゴメスには勝ち越しの2点左前打を浴びた。「先頭を出したらピンチになる。そこが反省。僕のせいで負けたので、悔しい気持ちをぶつけて頑張ります」と雪辱の機会を望んだが、結局、チームは続く第4戦も黒星を喫し、4連敗でCS敗退。山口にリベンジのマウンドは訪れなかった。

 制球、キレともに本来の投球には遠かった。決して本人は言い訳をせず、言葉にすることはなかったが、当時から左ヒジの状態は良くなかったと予想される。10月28日に左ヒジに「PRP治療」と呼ばれる治療を受け、オフはじっくりとノースローで調整。「今、順調に回復もしている。今のところは何の問題もなく、進んでいると思います」と経過は良好で12月中にはキャッチボールを再開する見通しだ。自主トレーニングではケガをしない体づくりを念頭に、減量にも取り組む考えだ。

 体調さえ万全ならば、また、圧倒的な安定感を誇る左腕の姿が見られるだろう。チームの日本一奪回に向けても、欠かせない存在だ。

「今年より抑えたいですし、少しでも日本一の力になりたい。60試合という登板数は続いてきているので、来年もその試合数は投げたい」。故障を乗り越え、鉄腕が強さを増して戻ってくる。
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