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石川亮捕手・2年目の球界の『りょう君』が大まくりも

 



 話題先行ではない。本物の予感、ブレークの兆しが見えてきた。2年目捕手の石川亮に開幕一軍、さらに正妻奪取の可能性が見えてきた。人気プロゴルファー石川遼と読みが同じで注目を浴びてきたが今春、名実ともに新戦力の隠し玉としてクローズアップされている。「チャンスなので、やるしかない」。強い決意と反骨心で、風穴をこじ開けるつもりだ。

 厳しいチーム事情が追い風となり、地力をつけてアピールを敢行中だ。昨季の1番手捕手の大野が右ヒジの違和感、2番手の市川が昨オフに手術した腰のリハビリで調整遅れ。抜てきされた一軍キャンプで石川亮は、徐々に首脳陣の信頼を勝ち取っていく。14年、入団テストを経てドラフト8位で入団。名門・帝京高では1年時から正捕手のエリート球児だった。

 ルーキーイヤーの昨季は二軍で正捕手として経験を積み、シーズン終盤に一軍デビューを果たした。2月のキャンプでは近藤と併用で実戦に起用される。2月27日の韓国SKとの練習試合では本塁打を放った。「少し詰まっていた分、バットを押し込めた」。執念でキャンプの終盤にアピールし、成長の跡も刻んだ。3月から本格化するオープン戦では、一軍に同行することになった。

 3月4日、札幌ドームでの巨人とのオープン戦で先発マスク。ローテーション候補の吉川とコンビを組んだことからも、期待の大きさが分かる。栗山監督は「開幕スタメンの可能性はゼロではない。近藤と石川亮が今の2枚看板」と扇の要の候補であると明言。主力のアクシデントによる「試験運用」から、一気に躍進の芽が出た。球界の「りょう君」がひょっとしたら、ひょっとする。
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