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森唯斗投手・エース超えで歩む守護神への道

 



 プロ2年目の森唯斗は球団新となる72試合登板への挑戦を誓った。

「昨年以上は投げたい。攝津さんの数字はすごいと思う。そこを目標にやっていきたい」

 狙うのはいまや、押しも押されもしないエースとなった攝津が入団2年目にクリアした71試合の球団記録だ。1年目の昨季は故障で出遅れたものの、5月に一軍昇格すると、58試合4勝1敗20ホールド、防御率2.33。サファテ、五十嵐と勝利の方程式を組み、3年ぶりの日本一に貢献したが、さらに高いノルマを自らに課した。

 2年目のジンクスを振り払うべく、今年1月に門をたたいたのは誰あろう、攝津の自主トレだ。そこである「武器」を伝授された。伝家の宝刀・カーブだ。森も当然、引き出しにはある球種だが、投げる意識が違った。「攝津さんにはカーブは最初、低めから投げて上げていくように言われました。これまでは1球投げた後、高低を修正する方法でした」。カーブは高く浮いては絶好球になる。投球練習でワンバウンドを投げ、少しずつ高さを調整することで、低く投げられるという原理。簡単だが、言われれば、なるほどと目からウロコが落ちる思いだった。

 攝津は球団新記録を樹立した後、登板過多を考慮され、3年目からは先発へ転向した。だが、この背番号38には別の目標がある。「いつかは一番後ろで投げてみたいですね」。徳島の実家は伊勢エビ漁などを営む。小さいころから船に乗り、鍛えた肉体はどれだけの連投にも耐えられそうだ。1年間、フル稼働してリリーフでの信頼を勝ち取り、いつかは守護神の座へ。そんな青写真を描きながら、森は全力投球を続ける。
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