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石田健大投手・代役から先発の柱へ成長

 



 主力投手が次々と先発ローテーションから外れる苦境を頼もしいルーキーが救っている。石田健大は7月14日にプロ初登板を果たし4回3失点。「悔しい初戦でしたが、次につながる勉強になりました」と話した石田。貴重な経験を糧に奮闘を続け、井納や山口らが不在の先発陣の穴をきっちりと埋めている。

 念願の初白星は4試合目の登板だった8月6日の中日戦(ナゴヤドーム)。投球は新人らしからぬ内容だった。ピンチで粘り強さを発揮。4回に痛恨の暴投で1点を先制されたが、嫌な流れをきっちり断ち切った。赤坂には四球を与えた後、藤井から三振を奪った。キレの良いボールを内、外角に投げ分ける丁寧な投球。5回以降は無安打に抑え、二塁すら踏ませなかった。計9奪三振と力投した新人に対し中畑監督は「もう石田に尽きる。期待以上の投球をしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。

 散発の3安打に抑え、中日のエース・大野を相手に見事な投球を披露し8回1失点の力投だった。「いい投球ができて良かった」。初めて味わう白星を率直に喜んだ。広島県出身の石田にとっては8月6日は特別な日。平和への願いを込めてこの日の朝も宿舎で黙とうした。記念の1勝は忘れられない日になった。

 広島工高、法大を経てドラフト2位で入団し、当初から手薄な先発左腕枠を埋める存在と期待されていた。ただ左肩の故障でキャンプは二軍スタート。地道に取り組み今やチームを支える存在にまで成長を遂げた。「新人らしく、しっかり腕を振って投げようと。今日みたいな投球ができるように頑張る」。プロとして大きな一歩を踏み出した日に力強く宣言した。
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