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バリントン投手・ケガの苦しみを力に変えた

 



 たび重なるケガに悩まされ本来の力を半分も発揮できなかった。「肩と足を故障したのは想定外の出来事だった。治療の時間の方が長いシーズンは初めて」。広島時代の4年間で通算40勝を記録し、昨オフにオリックスへ移籍したブライアン・バリントン。ようやくマウンドに立てない苦しみから解放された。

 5月には右肩の違和感で抹消されると、復帰までに約2カ月を要した。だが、復帰登板となった7月11日の楽天戦(コボスタ宮城)では、5回無安打無失点の好投も、左カカトに違和感を訴え緊急降板。翌日には再び抹消された。「やってしまったことはしょうがない。リハビリ期間は気持ちを切り替えて次の登板に向け全力を尽くした」。ようやく訪れた一軍のマウンドは9月11日のロッテ戦(京セラドーム)。2カ月ぶりの先発に気持ちは高ぶった。「しっかりボールを動かすことができた。コーナーにボールを集めることができて良かったよ」。6回5安打1失点の好投に自然と笑みがこぼれた。今季はケガ人が多く投手陣のやりくりに頭を悩ませていた高山投手コーチも「普通にやれば、あれぐらいのピッチングはできる。本音を言えば先発ローテを守ってほしかったけどね」と苦笑いを浮かべた。

 現状、来季の契約は微妙なところ。ケガさえなければ好投を見せる右腕。来季、オリックスの先発投手は金子、西、東明、ディクソンが軸となるが、そのほかの投手は未知数の部分が大きい。仮にリリースすることになると、日本球界での実績を考えれば他球団が狙ってくる可能性も十分に考えられる。今季の成績は決して満足できる内容ではないが、再契約の可能性は残されている。
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