勝負の年と位置付けた4年目に、
田島慎二がルーキーイヤーぶりの活躍を見せた。自己最多の登板数60試合超えを果たして防御率は2点台前半。シーズン当初の“何でも屋”からセットアッパーへ昇格。終盤はクローザーも任された。
真っ暗闇を2年間さまよった。ルーキーイヤーに56試合登板を果たして防御率1.15と鮮烈なデビューを飾った地元出身右腕。だが、2年目は50試合で防御率4.76、3年目は42試合で防御率5.12。「便利屋だと思って、いつでもどんな場面でも投げられる準備だけはしておこうと思って臨んだシーズンでした」
昨季終盤から森ヘッドコーチや友利投手コーチとヒジを下げるフォーム改造に着手。愛知・阿久比での秋季キャンプでフォーム固めに取り組み、オフは今季で引退する
山本昌らと鳥取のトレーニング施設「ワールドウィング」内にあるブルペンで投げ込み。秋季キャンプから実戦で手応えをつかんだ。
信頼を取り戻す過程には、福谷、又吉の不振もあった。両右腕が失速するのを横目に、与えられる場面は重要度を増していった。負けている場面で投げていたのが、同点での起用になった。信頼を積み上げるとセットアッパーを任されて、抑えのポジションにも入った。
10月1日時点で64試合に投げ、75イニング、16ホールド、9セーブ。防御率は2.28だ。友利投手コーチは「与えられた場面で、次を任せたくなるような投球を見せてくれた」と評価した。
「2年間ダメだったですし、信頼はそう簡単には取り戻せません。これからも、少しずつ自分のできることをやっていきたい」
投手王国再建の一員になりたい。