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田島慎二投手・幅広い役割に対応

 



 最後の最後に残っていたのが、復活を果たした右腕だった。セットアッパー、クローザーが決まらなかった今季。シーズン当初は負けている場面で登板し、中盤からは勝ちパターンに組み込まれ、終盤はクローザーも務めたのが、田島慎二だ。

「最初は便利屋でいいと思っていました。便利屋からやっていくしかなかった。過去2年間の数字が数字ですから、1年目の成績を忘れてシーズンに入りましたね」

 ルーキーイヤーの2012年は56試合に登板して防御率は1.15。だが、2年目は防御率4.76に悪化。3年目は5.12とさらに悪かった。そして4年目。結果としては過去最高の64試合登板で防御率は2.28。セットアッパー定着に失敗した又吉の、クローザーから引きずり降ろされた福谷の代役を果たした。

 ブルペンの信頼も得られた。福谷にしても又吉にしても、黄金期を支えたメンバーではない。田島は、両右腕と浅尾、山井ら優勝を知るメンバーとの架け橋になった。ときにはブルペン陣のためにガムの買い方を教え、ときには食事に出掛けた。

「自分だってそんな余裕はないですけど、教えてもらったことはやらなければいけないと思っていました。やっぱり、勝たなきゃ面白くないですから。自分も身に染みています」

 投球フォームでヒジを下げて臨んだシーズン。森ヘッドや友利コーチの助けもあって一軍メンバーとして4年目にして初めて一軍完走を果たした。友利投手コーチも

「助けてもらった。いつでも、どこでも投げてくれるピッチャーは大切」と語る。来季はさらに活躍の場を広げる。
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