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ヤクルト 中村悠平捕手・昨季とは“別人”

 


 ヤクルトにとって捕手の中村悠平は良い意味での“春の誤算”だ。昨季は106試合に出場も、打率.187。2015年に正捕手としてチームを14年ぶりのリーグ優勝に導き、同年11月に行われた国際大会「プレミア12」にも日本代表として日の丸を背負った男も、昨季は悔しさを味わった。だが、昨オフから打撃フォームを改造。「引き込んで体の中心で打つこと」をポイントに再起をかけるべく、汗を流してきた。

 今季は11試合を終えた時点(4月13日現在)で、打率.353でリーグ9位。チームではトップの数字だ。野村バッテリーコーチは好調の要因についてこう言う。「昨年の悔しさがあると思う。だからこそ、中村がしっかり引っ張ってくれないと」。真中監督は、「昨年は打撃の調子が悪かった。それがリード面にも影響が出たのだと思う」と説明。3月のオープン戦中は、ほとんど中村がスタメン出場を果たすなど、首脳陣の今季に懸ける期待も高い。

 昨季、チームの防御率4.73は12球団最下位。クオリティースタート(QS)率41.3%は大差がついてのリーグ最下位だった。投手陣の再建が最重要課題であったヤクルトで、中村は「打者の反応も見ながら攻めていかなくちゃいけない」と試行錯誤を繰り返す。13日時点でチームは4勝7敗ながら、QS率はダントツトップの81.8%と数字にもしっかり努力の跡が。攻守の要として、チームを引っ張る男は昨年とは“別人“のような働きを見せている。
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