球速だけを比較するならば、チーム最速ではないだろう。ただし、直球に対するこだわりは随一だ。
須田幸太は「いい真っすぐを投げること。それしか考えていないと言っていいくらい。バロメーターです」と誇らしげに話す。
今季は開幕戦の
ヤクルト戦[神宮]で1/3回を投げて3失点。4月2日の同カードはヤクルトの代打鵜久森にサヨナラの満塁本塁打を浴びた。防御率は108.00という途方もない数字からのスタート。だが、接戦で重宝される右腕はもがきながら復調を探った。4月8日の
中日戦[ナゴヤドーム]からは9試合連続無失点とするなど、状態もやや上向きとなった。
バロメーターになるのが右打者へのアウトコースにキレのある直球を投げられるかどうかだ。自身は球の軌跡や回転数を計測するシステムの「トラックマン」のデータを参考にする。「打たれるときの直球の回転(1分間あたりの回転数)は2250ぐらい。調子がいいときは2400ある」と話す。今季は2485をマークしたこともある。空振りの奪える直球だ。
5月19日の
巨人戦[横浜]では延長10回から登板したが、
マギーに決勝打を許し、敗戦投手となった。状態が上がり切らず、翌20日に出場選手登録を抹消された。昨季チーム最多の62試合に投げており、蓄積された疲労とうまく付き合いながら状態を上げていく必要がある。リーグ優勝に向け、今後、接戦に強い右腕の直球が必要になるときが必ず来る。誰もが一軍合流を待っている。