アマチュア野球情報最前線

2013年10月8日(火) 14:56

【大学 University】

東都大学一部秋季リーグ戦
中大エース・島袋を攻略
9回裏の劇的勝利で決着!

一部初参戦の拓大が初勝ち点

　9月27日、神宮球場で東都大学秋季リーグ戦第2週の未消化カード・中大対拓大3回戦が行われ、2対1で勝利した拓大が創部以来初となる一部での勝ち点を挙げた。

　1勝1敗で迎えたこの日の試合、拓大は2回に先制を許すと、中大先発・島袋洋奨(3年・興南)の前に、打線が6回までわずか1安打に抑えられる苦しい展開だった。

　しかし、7回に先頭の四番・高橋弘樹(4年・拓大紅陵)が左翼へソロ本塁打を放ち同点に追いつく。主砲の一打で元気を取り戻した拓大は、8回に先発・佃勇典(3年・広島商)から石橋良太(4年・明徳義塾)へスイッチ。石橋は、2回1安打3奪三振の好リリーフを見せ、一気に流れは拓大へと傾いた。

▲9月20日の中大2回戦に先発して5回2失点。27日の3回戦では8回からリリーフして無失点で連勝を飾った拓大・石橋[写真=BBM]

　すると9回、バントヒットと2四球で一死満塁のチャンスをつくると、7番・鈴木孝昌(2年・山梨学院大付)が右翼へ犠飛を放ち、劇的なサヨナラ勝利を収めた。

　初の一部勝ち点を挙げた内田俊雄監督は、「高橋の本塁打も、鈴木の犠飛も出来過ぎ。でも、(1回戦で完投勝ちを許した)島袋君に雪辱できて良かった」と笑顔。かつて、亜大をリーグ優勝へ13度導いた66歳の指揮官は、「(2番手の)石橋がしっかりと投げてくれて、チームに勢いを与えた。これからも必死に一試合一試合戦っていきたい」と、4年生右腕の好投を称えるとともに、次の試合を見据えた。

　1949年のリーグ加盟から、今季初めて一部昇格を果たした拓大。9月30日現在、2カード6試合を終えた成績は3勝3敗勝ち点1。いずれも接戦へ持ち込み、一部での戦いにも手応えを感じている。

　9月7日の国学院大1回戦で手にした“一部初勝利"に続いて、拓大がまたひとつ新たな歴史の1ページを刻んだ。は決して明るくない。

【キューバが移籍自由化】

　9月27日(日本時間28日)、キューバ政府は野球を含むスポーツ選手の国外プロ活動を認めると発表した。国技の野球を中心に、新たな外貨獲得の手段として、代表クラスを日本を含む世界の主要リーグに派遣することを決定。プロ契約は政府の保護下で行われ、海外球団に選手を「リース」する形で、年俸のうち数十㌫が国に支払われることになるという。

　同国は1959年のキューバ革命以降、61年からプロ活動を禁止。00年代前半に中日でプレーしたリナレスらの一部特例を除き、自国内でしか競技活動を許さなかった。しかし、近年は各競技の競技力が低下し、野球でも亡命者が続出。今春のWBC代表だけで4人がメジャー入りを目指して亡命していた。一方で、同国との商取引が禁じられているアメリカのメジャー進出については、まだ不透明な部分が多く、当面は「日本、メキシコ、韓国など制約のない国」において選手がプレー可能となる。