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東京六大学野球 90年秋優勝時の主将がセントポール復活へ着手

 

東京六大学野球
90年秋優勝時の主将がセントポール復活へ着手

立大の新監督に溝口智成氏

 立大は12月4日、都内の池袋キャンパスで記者会見を開き、溝口智成氏の新監督就任を発表した。任期は2014年1月1日から4年間。

「できれば自分でゴール(優勝)したかったが、次の人にバトンと託したい」。この秋、2位という成績を残して退任したのは大塚淳人前監督(53歳)。そのバトンを受けたのが46歳の溝口智成新監督だった。

「気持ちが引き締まります」。主将としてチームを束ね、前年秋に続いてリーグ優勝を果たしたのが90年秋。23年ぶりに立教のタテジマに袖を通した溝口監督がそうつぶやいた。

「私は立教が大好きです。自分がやってきたことは良い誇り。今後は学生たちが誇りを持って社会に出ていける、そのお手伝いがしたいです」

 監督に就任し、まずは所信を表明した。リクルート野球部、出向先のローソン野球部で野球選手としての現役生活を終えた後、リクルートに戻り社業に専念していた。分かりやすく言えば、人材開発、そしてキャリア支援。老若男女、数え切れないほどの人の内面と真摯に向き合ってきた。「人はそれぞれ、自分で成長できるもの。これが仕事で得た教訓です。選手との関係性の中で生かさない手はないと思っています」

 立大は99年秋以来、28季にわたり優勝から遠ざかっている。「優勝するためには技術プラスアルファが必要。プラス1勝、1.5勝……何かがないと届かない」と指揮官は感じている。目指す野球は「攻・守・走」いずれにおいても攻撃的なスタイル。「すぐに効くような“注射”はありません。日々の積み重ねが神宮での『1打撃、1投球』になる」

 投では齋藤俊介(2年・成田)や澤田圭佑(1年・大阪桐蔭)、打では首位打者となった岡部通織(3年・帝京)、大城滉二(2年・興南)ら主力選手が残る。「タレント、潜在能力はほれぼれするほど」と溝口監督。それをどう束ね、どう活用してゴールを目指すのか。“人材育成のプロ”による采配に注目したい。

▲母校のユニフォームに袖を通すのは自身が4年秋に優勝した90年以来。溝口新監督は引き締まった表情で抱負を語った。右は前田一男部長[写真=BBM]



PROFILE
みぞぐち・ともなり●1967年11月23日生まれ。神奈川県藤沢市出身。湘南高では捕手を務め、2年夏は2回戦、同秋は16強に進出。3年夏は3回戦で敗退した。立大では2年夏にチーム事情により遊撃にコンバート。一塁のレギュラーとなった3年秋にリーグ優勝、ベストナインも獲得した。4年秋にもリーグ優勝とベストナイン。神宮大会準優勝。卒業後は硬式野球部立ち上げメンバーとしてリクルートに所属。その後、硬式野球部がローソンに移管されたため出向。主将、選手兼任コーチも務める。97年に現役引退後、2000年からはリクルートの人材関連事業に従事した。
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