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春季沖縄県大会

新型コロナ禍における大会開催の決断と意義

 

当初の予定から5日延期の3月25日に開幕。準々決勝まで消化した時点で中止となった。写真は開邦高、南部農林高、辺土名高、真和志高による連合チームと北山高の3回戦/写真=仲本兼進


社会情勢を冷静に見極め準決勝以降は打ち切り


 新型コロナウイルス感染拡大の影響により今年の春季大会は全国各地で軒並み中止が相次いでいる。沖縄でも2月末の政府による全国一律休校要請を受け、沖縄県教育委員会は県立の高校・中学・特別支援学校を3月4日から15日まで臨時休校の措置をとった。その間、部活動が中止となったことで、高校野球の現場も春季県大会に向けて自主練習で体力維持を努め、臨時休校が明けた際の状況を精査する沖縄県高野連の決定を待った。大規模イベントの自粛要請によりセンバツ甲子園が中止決定され、その余波も受ける中、大会開催に向けてウイルス対策を十分に施せるか、また開催期間においてのリスクをどう判断するかという難しい判断に迫られた。だが、県内で3人目の感染者が確認された2月20日以降に新たな感染者が確認されていなかったこと、そして臨時休校も明けたことから「選手たちの思いを考え、リスクが高くなければなるべくやるという方向で検討したい」(沖縄県高野連・岩崎勝久会長)と、感染者が出た場合の大会休止や中止を検討することを前提に、開幕日を5日間スライドさせて3月25日に開幕し、4月12日決勝の日程を決めた。

 運営委員長を務めた又吉忠前理事長は「必要最低限の陣容で効率的かつ前向きに運営することを徹底した」と話す。参加校全選手による開会式は実施せず、観客の入場を制限ではなく禁止することで密集密接を防いだ。また放送室での場内アナウンスも密閉空間を避けるため、行われなかった。スタンドでの応援も禁止。本来ならば別の学校の部員が行うグラウンド整備やボールボーイを対戦校同士の部員で担い、極力、球場内の人数を減らして試合を実施した。

 また球場に入る際は関係者全員が事前に検温を行い、37.5度以上の発熱がある場合は球場入りを認めなかった。至る場所にアルコール消毒液を設置し感染予防に努めた。

「練習試合のようだった」と話す選手もいたが・・・

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