ヤンキースを去ったあとのイチローに注目したい。左はジーター/写真=AP
ヤンキースのイチロー外野手は、4月8日(現地時間)のオリオールズ戦(ニューヨーク)の9回にセンターの守りに入り、日米通算3017試合出場となった。これで、
野村克也氏(元南海ほか)の日本プロ野球最多出場記録に並んだ。以後、この記録を更新し続けているのだが、野村氏の記録に追いついた日のイチローはクールだった。
朝日新聞4月9日付夕刊(東京版)には「出てるだけでカウントされるものに僕は価値を見い出せない。それに尽きる」のコメントが載っていた。
ウ〜ン。このコメントをノムさん(野村氏)が読んだら、苦笑しただろうか。それとも「イチローは40歳になっても青くさいヤツだ。円熟しろ」と叱るだろうか。はたまた、「オレだってそう思う」とうなずいただろうか。
筆者はノムさんも、イチローに同意したのではないかと思う(小誌連載の『本物の野球はどこへ行った!』でイチローの記録を取り上げていただければありがたい)。「生涯一捕手」「ボロボロになるまでやる」がノムさんの生き方だが、ただ漫然と試合に出ていたワケではあるまい。1試合1試合に全力を注いできた結果の3017試合だと思う。
その昔、故・
川上哲治氏(元
巨人)は、たとえ0対10の大敗の試合でも、全打席集中して、最低1安打は打つ、と心に決めていたそうだ。これは打率を維持するためというより、自身の生き方の問題なのだ。「ファンは自分に何を期待しているのか。それを考えれば、1打席もおろそかにはできない」、これが“打撃の神様”の生き方である。
イチローも取りようによっては不遜とも思えるこのコメントで言いたかったのは、そのことだと思う。
しかし、これほど・・・
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