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Vol.Final 田中英祐[京大]

 

京大初のプロ入りが期待される関西大学球界を代表する右腕。最速149キロのストレートとアウトローに投げ込むスライダーが魅力だが、最大の武器は打者に向かっていく姿勢だ。プロ入り後も成長が楽しみなドラフト1位候補である

 早大の有原航平、明大の山崎福也、亜大の山崎康晃らと同等の力を持っており、ドラフト1位で消える可能性を大いに秘めた右腕である。

 左足の引き上げ、軸足(右足)への体重の乗せ方、打者に向かっていく姿勢を強く感じる投球フォーム(9.0)は、今年の大学生の中でもトップクラスの魅力を感じる。しかし、細かく見ると左ヒザが一塁側に開き、連動して左肩も開くときがある。さらに思い切って投げたときに顔を振ってしまう傾向があり、球数が増えたり、カウントを整えるのに苦労しているように見える。

 改善すべきは左手の使い方。左手の親指を下に向け、左ヒジを上げるなどの工夫をすれば、壁を作ることができ、スムーズな体重移動ができるだろう。本来持っている力強いストレート(9.0)のキレが良くなり、変化球(9.0)の精度も増していくはずだ。その変化球で特に目を引くのが、アウトローに投げ込むスライダーである。外角のストレートとのコンビネーションは抜群で、相手打者の脅威となっている。投球の組み立てのさらなるレベルアップを狙うならば、カーブの精度を上げたい。タイミングを外す変化球のクオリティをもう一段階上げることができれば、緩急も使えた高いレベルの投球内容になっていく。



 投球術(8.5)は・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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