神戸北高時代、プロのスカウトからも注目を浴びた「公立の星」は、プロではまだ通用しないと大学へ進学。2年春から持ち前の力を発揮したが、3年時に低迷。自分を見つめ直した今季、著しい飛躍を遂げ、再びスカウトから注目を浴びている。大産大の右腕は、10月23日を心待ちにしている。 ▲最速147キロのストレートとチェンジアップのコンビネーションで打者を翻ろうする右腕。今春は5勝、防御率1.39の好成績を残した
明確な目標を定め、強い気持ちで成長
4年前の兵庫でにわかに評判を呼んだピッチャーだった。「公立の星」。活躍を伝える記事には必ずこの種のフレーズが入っていた。強豪私学への進学希望が叶わず、甲子園には無縁の神戸北高へ進み、打倒私学に奮闘し……。そんなストーリーを持った男の投球はやがてスカウトも注目することとなり、もしかしたら……とあこがれの世界へつながる道を想像もした。しかし、そこまで。プロはまだまだ手の届く世界ではなかった。
それから4年。右腕は再びの夢を輝かせながら運命の秋を迎えている。
「微妙な立場なのは分かっています。でも、どうしてもプロへ行きたいんです。少しでも行けるチャンスがあるなら、チャレンジしたい、勝負したいんです。あとになって、あのとき(志望届を)出しておけば……と思うのだけはイヤなんで。自分の中では育成でも、と思っています」
山本洋行。今、関西で最も活気のある、
阪神リーグに属する、大産大のエースだ。宮崎正志監督は、エースの思いを理解しながらも、複雑な表情を浮かべる。
「個人的には社会人でもうワンステップ踏んでからでも、という気持ちがあります。それも一つの勝負だろう、と。本人もこちらの話は理解してるんですけど・・・
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