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ソフトバンク・二保旭「やっと理想の投球ができるようになった」

 

新生・工藤ホークスに突如として現れた新星。A組キャンプに抜てきされた右腕は、過酷な競争をスルスルと勝ち抜き、初の開幕一軍を手に入れた。昨秋、“クビ”を覚悟したところから始まったサクセスロードは、どこまで続くのだろうか。
文=菊池仁志 写真=湯浅芳昭、井田新輔



登板後に感じた進化


 2014年、ソフトバンクは3年ぶりに日本一の座に就いた。チーム打率、得点でリーグ1を誇った打線は迫力があった。先発投手陣では新戦力のスタンリッジ中田賢一がローテーションの柱となる中で、夏場以降に一軍戦力となった大隣憲司武田翔太阪神との日本シリーズを勝ち抜く大きな力となった。そして何より、1年間、安定して力を発揮し、戦いの基盤となったのが盤石のブルペンだった。

 森唯斗-五十嵐亮太-サファテの勝利の方程式が確立されていた。森福允彦岡島秀樹(現・DeNA)、柳瀬明宏の経験豊富なメンバーも存在感を放った。リリーフの防御率2.40は12球団一。そのメンバーから岡島が抜けたとはいえ、層の厚さは相変わらずだ。

 秋山幸二前監督からバトンを受け継いだ工藤公康新監督の下、迎えた連続日本一を目指す新シーズン。そのスタートを飾る開幕メンバーに「二保旭」の名があった。09年、育成ドラフト2位で九州国際大付高からソフトバンクに入団。4年目の12年途中に支配下登録された。12、13年に8試合の一軍登板がある。しかし、昨季は二軍が主戦場で、一軍登板はゼロに終わった右腕だ。

 140キロ台後半のストレートがコーナーにピタリと決まる。ツーシームを主武器とする変化球の精度も高い。

「一番は度胸の良さ。向かっていく気持ちがいい。結果も出してくれたし、一軍のベンチに入れて一緒に戦っていきたい」

 指揮官も買う、緊張とは無縁のメンタル。「どれが緊張なのか、分からないんです。試合では目の前の状況を把握して、自分の仕事をすることだけ考えています」とリリーフのマウンドに上がる。

 15年の初登板は開幕カード、第3戦のロッテ戦(ヤフオクドーム)。先発・中田がつかまり3対3の同点とされた5回、なおも無死一、三塁からのマウンドだった。「あのケースで投げさせてもらえるようになったんだと思いました」。過去の一軍登板は先発した1試合と、12対0と大勝ムードの9回のリリーフ以外はビハインドの状況で、まさに敗戦処理の任。それが今季のオープン戦で7試合、10イニングを無失点に抑えたことで、「積み重ねてきたものの答えが、あの試合での使われ方」だと実感した。

3月29日のロッテ戦で15年のスタートを切った二保。「やっと理想の投球ができるようになった」と今季に手応えを得ている



 しかし、3回1失点の結果で終えた初登板には課題も残った・・・

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