何も成し遂げられないまま、野球人生を終えることなんてできなかった。一度は見切られた右腕はアメリカで磨き直し、日本で再び評価された。不屈の野球人生を支える根底には、変わらない一途な思いがある。 文=井上陽介(スポーツライター)、写真=井沢雄一郎、BBM わずか3年での非情宣告
日本球界復帰2年目の船出を幸先良く切った。今季初登板初先発となった4月5日の
楽天戦(楽天生命パーク)。8回1失点で今季初勝利。ヒーローインタビューでは
「とりあえず勝ちたい、という気持ちで投げました」。淡々とした受け答えには充実感も漂った。
「やっぱり技術的には向上していると思います」。日本、アメリカ、中南米で真摯に野球と向き合ってきた。どんな環境でも常に忘れなかった思いは「勝ちたい」。すべての原動力が、シンプルな言葉で表現した純粋な思いにある。ようやく軌道に乗りつつある
村田透のプロ野球人生。結果にも表れ始めたいま、現在地から歩んできた道のりを自虐的に、この男らしい言葉を選んで振り返った。
「むしろ、なんでこういうことが・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン