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頼りの左腕が優勝争いを繰り広げるソフトバンクの先発陣に帰ってきた。2013年、黄色靭帯骨化症を患い、手術に踏み切った大隣憲司。復帰には1年強を要したが、それは、今後の野球人生に不可欠な時間だった。そして、感じた。マウンドで見る景色が変わった、と。
取材・構成=菊池仁志 写真=湯浅芳昭、桜井ひとし

復活のマウンド


─昨季、黄色靭帯骨化症を患い、手術を受けました。復帰を果たしての気持ちを教えてください。

大隣 ヒーローインタビューでも言葉にしたんですけど、マウンドに上がれる喜び、うれしさが大きかったこと。手術、リハビリ、三軍、二軍と進む過程で、チームの裏方さんをはじめ、関わってくださった皆さんへの感謝。それが一番に出てきました。

─先発での復帰1勝目は7月27日のオリックス戦で本拠地のマウンド。ファンの声援がものすごかったですね。

大隣 これだけたくさん、周りに味方がいたんだって。スタンド全部が味方なんだから今日打たれて負けても大丈夫だなっていうくらいの心強さでした(笑)。

─初回に1点を先制されましたが、2回に3点を取り逆転。その心強さはチームの雰囲気にも感じたのではないでしょうか。

大隣 食らいついて、食らいついて逆転してくれて、そこで僕も新しい気持ちになれました。まさか、7回までいくとは思わなかったですけど、体は元気でした。まあ、次の日にはパンパンでしたけど(笑)。心地良いマウンドでした。

─ここまで、今季一軍で先発した3試合を振り返って、どのように自己評価していますか。

大隣 三軍や二軍で投げていても、自分が思い描く投球ができないこともあって、一軍のマウンドに立つにあたって不安がやっぱりありました。でもそこは、自分を信じていくしかない。粘り切れない投球もありましたが、それでも想像以上のピッチングができているんで、自分でも驚いているんです。

─想像以上というのは、どの部分ですか。

大隣 リズム、テンポ、自分のイメージどおりにならないことが下ではありました。それが一軍ではできるんですよね。それが不思議です。二軍ではイニング数と同じくらいヒットを打たれていたんで(25回1/3で26安打)、一軍ではもっと増えるかもしれないって思うじゃないですか。それもイニングより少ない(19回11安打)。それが何なのかな、と。ミーティングで配球も細かくやりますし、狙い球を外せているんですかね。そういうことを感じています。

─思い描くピッチングが満足にできている?

大隣 そこはもう少し・・・

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