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ベースボールゼミナール

【元ソフトバンク・柴原洋に聞く】球場によって守り方は変わる?守りにくい球場はどこ?

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者は現役時代にゴールデン・グラブ賞を3回獲得した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.球場はそれぞれ広さやフェンスの高さなど規格が異なりますが、それによって外野手の守備位置や打球の追い方などに違いは出てくるのでしょうか。また、外野手が守りにくい球場はありますか。(山梨県・29歳)



A.地方球場の芝の状態に気を使う。外野手は狭い球場ほど守りやすい。


東京ドームなど狭い球場は外野手にとって守りやすいという


 現在のプロ野球では、楽天広島阪神を除く9球団の本拠地が人工芝で、その中の6球場がドーム球場ですから、守備側としてはプレーしやすいと思います。人工芝ではない3球団の本拠地にしても、手入れが行き届いていますので、注意は必要ですが、守りづらいということはありませんね。

 一方で、ペナントレース中はこれら本拠地球場とは別に、地方球場でも試合を行うことがありますが、ここでは注意が必要です。特に外野手の定位置付近では、芝が剥げて土がむき出しになっていたりしますので、守っていても気を使うところです。試合前の練習では、そういった個所を必ず確認し、打球がどのような変化をするのか、練習を繰り返していました。

 変化が不規則だったり、あまりにも影響が大きいようであれば、その影響を受けないように少しポジションを前にずらしたり、後ろに下がったり、左右にずれたりしていました。なるべく芝の剥げたところで捕球したくないですからね。それでもそこでしか捕れない場合、走者を刺すどころではありませんから、まず止めることを意識します。チャージをかけて、後ろに逸らしてしまうと、ピンチを拡大させてしまいますからね。地方球場はこういったところに気を使っていました。

 外野手としては、狭い球場ほど守りやすいです。狭くても、広くても、定位置に変わりはありませんから、狭い球場ほど、外野フェンスが近くなるわけです。頭を越えられる心配が少ないですから、心理的にも余裕を持って守れますよね。

 逆に、広い球場だと、後ろを気にしなければなりません。ホームランテラスのなかったころのヤフオクドームや、ナゴヤドームなどは“後ろの打球”への意識が常に頭の片隅にありました。一方、東京ドームなどは極端に言うと、5〜6歩下がればフェンス。横と前の打球に集中していればいいですから、楽でしたね。

 ちなみに、毎試合、自分の定位置にはポケットロジンでマーキングを行い、3連戦の頭には、自分の足で定位置からフェンスまで計測していました。あちらまで何歩と頭にイメージを持つことで、思い切って目を切り、打球を追うことができるのです。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

写真=BBM
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