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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

2018年の角中勝也は真のリーダーとなる!

 

角中の言葉の端々からは18年へ向けた決意が感じられた


 チームリーダーとしての自覚。それを感じられるような言葉が何度も口をついた。

 12月19日、契約更改交渉に臨んだ角中勝也は1000万円減の1億3100万円(金額は推定)でサイン。2016年に首位打者(.339)と最多安打(178安打)の2冠に輝いたが、17年シーズンは苦しみ、打率.269に終わった。特に春先の故障離脱は開幕から打線が低迷した遠因ともなってしまった。

 順調なら18年シーズン中に国内FA権を取得することもあり、球団からは3年契約を打診されるも固辞。インセンティブを含めれば増額の提示だったが、ダウンの単年契約を選んだ。「メンタルが弱いので、1年1年勝負したい」。FAについては「今のところするつもりはない」と言う一方で、「するとしたら年齢的に来年しかないなという気持ちはある」と含みを持たせている。

 しかし、交渉の席上で話題となったのは個人としての話よりも「選手会長としての話がほとんどだった」という。「施設面とか移動とか。シーズン中に選手からいろいろな要望を聞いていた。直接(球団に)言えない選手も多いと思うので、自分が代表して伝えた」。

 さらに18年シーズンへ向けた目標に話題が移ると、一度は「ないです」と言いながら、「いつもは(自分にとっての)最低ラインというのは低めに設定するが、18年は少し高めの打率3割に設定して。年間を通してやるべき選手がやらないとこのチームはダメ。(自分が)3割を打たないとチームは上に行けない」と語気を強めた。

 1年前、背番号を3に変更し、新選手会長に就任した角中にチームリーダーとしての理想像についてたずねたことがある。「別にないですよ。選手会長といっても、ユニフォームを着ているときはキャプテンがリーダーなので。プレーで自然に引っ張っていければいいですけど、選手会長だからというのはまったく関係ないですね」と素っ気なかった。

 今も言葉の上で大きな変化はない。選手からの要望を吸い上げて球団に伝えるのは選手会長としての当然の役割であり、リーダーシップについても「プレーでチームをけん引したい」と言っていることに変わりはない。しかし、「自分がやらなければならない」と口にした角中から伝わってくる熱量は、1年前とは別物のように感じた。

 井口資仁新監督のもと、18年からロッテではキャプテン制度が廃止される。4年間キャプテンを務めてきた鈴木大地は変わらぬキャプテンシーを発揮するだろうが、角中にもこれまで以上にチームリーダーとしての期待が寄せられることは間違いない。

「(井口監督には)1年目からいい成績を収めさせてあげたい。でも、結局プレーするのは選手たちなので」。背番号3&選手会長として迎える2年目。角中がどんな形で有言実行を成し遂げるのか。期待と興味は尽きない。

文=杉浦多夢 写真=BBM
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