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【大学野球】最強チームを作る! 侍ジャパン大学代表監督に亜大・生田監督が就任

 

侍ジャパン大学代表の監督に就任した亜大・生田監督(左)と、ヘッドコーチの上武大・谷口監督


 全日本大学野球連盟の平成30年度監督会が1月16日に横浜市内のホテルで開かれ、侍ジャパン大学代表スタッフが決定した。新監督は亜大・生田勉監督(51歳)、指揮官を支えるヘッドコーチには上武大・谷口英規監督(48歳)が就任する。

 生田監督は柳ケ浦高(大分)、亜大、NTT東京で捕手としてプレーし、亜大コーチを経て2004年に亜大監督に就任した。東都大学リーグ戦では11年秋からの6連覇を含む9度の優勝へと導き、明治神宮大会を3度制している。2度(14、15年)の大学日本代表コーチを歴任し、15年のユニバーシアード(韓国)では世界一に尽力している。

 松田宣浩東浜巨(ともにソフトバンク)、山崎康晃DeNA)など多くのプロ野球選手を育成してきたが、卓越した技術指導だけではなく、合宿・学校生活を含めた人間教育にも重きを置いている。全国から選出された侍ジャパン戦士には、日本代表としての「人格」も求められるだけに、人間教育の面でも力を発揮しそうだ。

「(監督就任は)大変光栄なこと。18、19年と2年任期ということで、2020年の東京でオリンピックに勢いをつけるために、学生野球も頑張っていきたい」

 18年は第42回日米大学選手権(7月3〜9日、アメリカ)、第29回ハーレムベースボールウイーク2018(同13〜22日、オランダ)に出場する。生田監督は2014年にコーチとして帯同したアメリカ遠征が「貴重な経験」だと語る。

「練習時間、場所も決まらず、体調を崩す選手もいた。アメリカなので、大ご馳走かと思ったら、ゲーム前にパン一斤が置いてあって、(勝手に)サンドイッチにしてください、と。そういう異国の環境で勝っていくためには、精神的にもタフな選手が必要。(オリンピックへ向けた)育成も大事ですが、勝つことが要求される。最強チームを作りたい」

 捕手出身の生田監督が率いる亜大と言えば、モットーの「全力疾走」を前面に出し、攻守にスキのない緻密な野球だ。しかし、小技だけでは、パワーを誇る海外のチームには太刀打ちできない。そこで「打撃のほうにも力を入れるためにも、谷口さんになっていただいた」と、ヘッドコーチには攻撃力アップを期待している。

 谷口監督は浦和学院高(埼玉)、東洋大の途中までは投手。打者としても非凡な才能を発揮し、野手に専念以降も左の強打者として活躍し、社会人野球・東芝では何度も日本代表に名を連ねた。当時のジャパンはアマチュアで編成されており、文字どおり、トップを走り続けてきた。

 引退後、00年に上武大監督に就任。関甲新学生リーグにおける常勝チームに育て上げ、13年は大学選手権を同連盟としても初めて制した。大学日本一達成以降も安定したチーム力を維持し、昨年6月の大学選手権まで5季連続(11月の明治神宮大会を含む)4強へ進出している。学生野球は選手が入れ替わる部分で難しいと言われるが、その手腕は確かだ。


 04年には第2回世界大学選手権(台湾)の大学日本代表コーチを歴任。以後も監督会の幹事として選手選考に携わり、各大会期間中は相手チームのデータ分析など、裏方として侍ジャパン大学代表を支えてきた。代表への思いは誰よりも強い。

「選手時代も経験していますが(侍ジャパンは)重たいです。日の丸の重圧もある。生田監督をいかに、サポートできるか。与えられたポジションを全うしたい」

 残るコーチ2人の人選は生田監督と谷口ヘッドコーチに一任され、1月中に指名し、2月6日の同連盟理事会で承認という運びとなる。「投手とバッテリーを見られる人が、バランス的にも良いと思う」。なお、任期は2年で来年は日米大学選手権が日本で開催される予定だ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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