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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画86】『特集 巨人の次期監督はどうなる “金田”を狙う南海の野心』【1959年12月2日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3500号が近づいている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

創刊以来最高の「女子率高い号」


表紙は巨人水原円裕監督


 今回は『1959年12月2日号』。定価は30円だ。巻頭グラビアは新監督かとウワサされる巨人・川上哲治コーチの特集だ。本文巻頭もずばり『巨人の次期監督はどうなる〜水原引退、川上新監督の構想……』。なお、水原円裕監督は翌60年から本名の水原茂を登録名に戻す。区切りははっきりしないが、今後はすべて水原茂と表記したい。

 4年連続で日本シリーズに敗れた水原監督は、すでに球団には辞意を伝えていたが、辞意を明らかにしたのは、この年が初めてではない。正力松太郎読売新聞社主は、巨人の初代総監督・市岡忠男に水原の真意を探るよう命じたという。ただ、正力にはこちらから引き留める気持ちはなく、「水原君が今度はこういう方法で強化して、もう1年やらせてくれと言ってきた場合は、その水原君の方針がよければ留任させることもありうる」ときっぱり語っている。

 一方、ライバル阪神も、まだ受理はされていないが、すでに辞表を提出していた田中義雄監督の後任を誰にするかでもめている。記事では、58年限りで引退した藤村富美男の可能性もあると書かれてはいたが……。

 ストーブリーグの目玉と言われた十年選手・国鉄の金田正一については『金田を狙う南海の野心』という特別レポートがあった。これまでは大毎移籍が濃厚と言われていた金田の争奪戦に日本一南海が割って入ったようだ、という話である。ただ、関係筋によれば「日本シリーズでもし日本一がとれなかったらを予測しての動きで、日本一となった以上、それほど金田に執着しないのでは」とのことだ。ほか西鉄も動いたらしい。

 座談会はなんと『私は夫と共に泣きたい』と題し、阪神・田中監督夫人、巨人・水原監督夫人、東映・岩本義行夫人が登場。夫たちの家庭での素顔について、涙ではなく、ほのぼのと語っている。センターグラビアでは『告知板ただいま婚約中』と選手の婚約者たちの写真が登場し、創刊以来最高の「女子率高い号」だった。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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