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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画88】『特集 売れなかった黄金の左腕 座談会 燃え上がる巨人再建の声』【1959年12月16日増大号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、すでに通算3500号が近づいている。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

巻頭グラビアは『野望に燃える男〜大洋入りした三原脩』


表紙は巨人川上哲治コーチ


 今回は『1959年12月16日増大号』。本文ページ増で定価は10円アップの40円だ。

 巻頭グラビアは12月21日、ついに大洋監督就任を発表した三原脩。タイトルは『野望に燃える男〜大洋入りした三原脩』だった。本文にも『三原脩の新しい闘争心〜巨人から西鉄、そして大洋での飛躍』という記事がある。三原が挙げた西鉄監督辞任の理由は次のようなものだ。

「家庭の事情もあるが、今シーズンの西鉄は、一億円にも及ぶ未曾有の補強をした。そういった意味から。こんどは私と苦労をともにしてきた選手を何人か、私が整理しなければならない。それを私の手でするにはしのびない。

 それに現在の西鉄は、もう私のような古いカラにはまった監督がやるよりも、もっと新しい監督のもとにやるほうがよいと思う。

 私はもう完成されたチームには魅力はない。チーム作りをしたいと思っているだけに大洋には強くひかれた」

 大洋は当時6年連続最下位だった。序盤は言い訳、後半は本音だろう。かつて阪急監督を辞し、近鉄監督になった西本幸雄もそう言っていた。

 一方、三原が抜けた西鉄は川崎徳次コーチが監督に昇格。ただし『曲り角に立つライオンズ〜川崎コーチが監督に昇格したけれど…』という記事もあったように、内輪もめや大下弘の引退のドタバタもあって波乱含みのスタートだ。また、田中義雄監督が退任の阪神も、金田正泰コーチの昇格となった。

 本文巻頭は『売れなかった黄金の左腕〜残留を決意した金田投手』。A級十年選手の権利で大毎か南海への移籍が濃厚とされた国鉄・金田正一の残留が決まったという記事だ。

 金田は十年選手のボーナスが、この年から年俸の2倍までと制限されることが決まり、それを強く主張したのが、国鉄の森代表だったと聞いてヘソを曲げた。だが、結果的にはそれが誤解だったと判明し、残留となったという。さらに、金田自身「大毎には行く気はなかったが、南海には魅力はあった」と語っているが、当の南海が日本一となったこともあり、さほど熱心に誘ってこなかったことも一因だったようだ。

 座談会は『燃え上がる再建の声〜心機一転したジャイアンツ』。広岡達朗長嶋茂雄堀内庄坂崎一彦が登場し、司会は野球評論家・南村侑広だった。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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