今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 新連載『誌上野球教室』『僕の10代』
今回は『1960年4月27日号』。定価は30円だ。いよいよシーズン開幕。グラビアは国鉄戦で第1号を放った前年のホームラン王、大洋・
桑田武ほか、その激闘の模様を伝えているが、その中に連載が2つある。1つは連続写真の新連載『誌上野球教室』。解説は三宅大輔で、初回は南海の
ジョー・スタンカだった。もう1つは、もう19回目だが『僕の10代』という巻末ページの連載。今回は峰山高時代の南海・
野村克也の写真。当時の峰山高のユニフォームが分からないが、帽子マークは毎日のもののようにも見える。機会があれば、ご本人に確認してみよう。
本文巻頭には、新連載『今週の話題』。毎週ショートインタビューが入り、1回目はルーキー初本塁打の大洋・
黒木基康だった。
巻頭特集は『
巨人・国鉄戦の舞台裏秘話』。開幕戦の国鉄先発は、もちろん
金田正一だ。自分で買ったというヘルメットを持ち、「いい天気やな。きょうはみなさまのご期待により、完投シャット・アウトといくか。巨人さんには気の毒やけど……」と上機嫌だったが、早々にKO。そのまま巨人は3連勝を飾った。
『フラッシュ』では大洋・
秋山登が
中日戦の前に、ノックバットが頭部に当たった事件が載っていた。中日・
牧野茂コーチがノックをした際、すっぽ抜けたという。このショックもあってか大洋は中日に3タテを食らっている。
座談会はオープン戦好調の東映から
土橋正幸、
西園寺昭夫、
張本勲が出席し、『ことしの優勝いただきます』。みな面構えがいい。土橋はコワモテの先輩だが、さすがにハリさん、どんどん突っ込む。
張本 40勝、勝とうと思えば勝てますよね。
土橋 そんなに勝てないよ。
張本 いや、買って出ればいける。これほうらしてくださいって、ちょっといけそうなときは自分で買って出て。
土橋 勝てないよ、やっぱり。
張本 1年間無理して、あとはもうどうでもいいと思って投げれば……。
土橋 そんなのつまらんよ。
張本 そうだ、つまらんな(笑)。
ちらちら粗筋だけを読んでいた連載小説『黒眼鏡の打者』は事態が動く。巨人入りし、大活躍していた天才打者・江川隆志が交通事故で目を負傷し、失明の危機に。
川上哲治コーチは「黒眼鏡をかけろ」と指示する。理由がすごい。「そうすれば目が見えるか見えんか、誰にも分からん」。次回はちゃんと読んでみよう。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM