長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 カークランド[1968―73阪神/外野手]
チューイングガム代わりなのか、いつも爪楊枝をくわていたのが、阪神のカークランド。当時のベストセラー時代小説でドラマにもなった『木枯らし紋次郎』の主人公も爪楊枝をくわえていたので、「紋次郎」と呼ばれたりもしている。ゲンを担ぐタイプらしく、いつも腰に幸運を呼ぶというお守り「ウサギの尻尾」をぶらさげていた。
明るい性格でファンサービスに熱心。子どもたちにせがまれ、
巨人の
王貞治や
長嶋茂雄のスイングのマネをコミカルにやることもあった。守備に就くとき、フェンス際で手を伸ばし、ファンとハイタッチしながら回ることもあったが「カミソリを持っていたら危ない」と球団に禁止されたらしい。
さて、野球のほうであるが、来日時、ピークは過ぎていたが、それでも1年目は37本塁打。四番も打った。
写真=BBM